狼

365日 光と闇の暦 2月5日 優しさと厳しさのあいだ アニンガンとアマロック

極夜明け前後(北極圏)

今日の光の神:アニンガン(Aningan / ᐊᓂᖓᓐ、イヌイット神話)

 アニンガン(Aningan / ᐊᓂᖓᓐ)はイヌイット神話の月の神です。ある伝説では妹マリナ(太陽の女神)を追いかけて天に昇り月となったとされ、これが理由で太陽と月は決して同じ空にいないのだとされます。狩猟の神でもあり、月の満ち欠けは狩りの結果によって痩せたり太ったりすることを表すと言われます。長い極夜のエリアで、アニンガンは闇の中に光る唯一の希望でした。イヌイットの人々は月を見上げてアニンガンに祈りを捧げ、厳しい環境で生きる導きとしたのです。

今日の闇の神:アマロック(Amarok / ᐊᒪᕈᖅ、イヌイット神話)

 アマロック(Amarok / ᐊᒪᕈᖅ)はイヌイット神話に登場する巨大な狼です。単独で狩りをし、夜に徘徊し、弱い者や一人で狩りをする愚か者を食べるとされています。でもアマロックは単なる恐怖の存在ではありません。ある物語では弱い少年を助けて強い狩人に育てました。厳しい試練を与えるのは生存のためで、北極圏の過酷な環境では弱さは死を意味します。アマロックは自然の厳しさの化身ですが、同時に強さを教える師でもあるのです。

光と闇

 アニンガンの光は導きと希望を、アマロックの闇は試練と強さを象徴しています。アニンガンの優しさだけでは極北で生き残れず、アマロックの厳しさによって人は強くなります。アマロックの厳しさだけで心が折れそうになったとき、アニンガンの光が希望を与えてくれます。どちらも必要不可欠なのだということをイヌイットは知っていました。極夜の闇の中、アニンガンの月の光を見上げながらアマロックの試練を乗り越えるのです。

この日のテーマ 保護と試練

 誰かを育てる立場にあるとき、あなたは優しさと厳しさのどちらに傾きがちでしょうか。アニンガンの優しさだけでは、守られる側は弱いままで成長できないかもしれません。ときにはアマロックのような厳しさが必要で、人は試練によって強くなっていきます。でもアマロックの厳しさだけでは、その人は心を閉ざしてしまうかもしれません。優しさと厳しさ、保護と試練。そのバランスはどこにあるのでしょうか。

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