365日 光と闇の暦 2月11日 勝者の物語、敗者の物語 神武天皇と長髄彦
建国記念の日(日本)
今日の光の神:神武天皇(日本神話・初代天皇)
2月11日は建国記念の日、神武天皇が即位したとされる日にあたります。神武天皇(じんむてんのう / 神日本磐余彦尊)は日本神話における初代天皇で、天照大神の子孫をされる神です。日向国(現在の宮崎県)の高千穂から東征を開始し、瀬戸内海を経て大和の地を目指しました。途中、熊野で危機に陥った際には天照大神から遣わされた八咫烏(やたがらす)に導かれ、女首長ニシキトベ率いる一行を含むさまざまな抵抗勢力を平定して大和に国を建てました。紀元前660年に現在の奈良県にある橿原宮で即位、現在の日本という国の始まりとなったとされます。
今日の闇の神:長髄彦(日本神話・大和の抵抗者)
長髄彦(ながすねひこ)は神武天皇の東征に抵抗した大和の豪族です。彼は神武天皇と同じく天神の子孫である饒速日命(ニギハヤヒノミコト)に仕えており、自らの正統性を主張しました。神武天皇と長髄彦の戦いは激しく、最初の戦いでは神武軍が敗北し、兄の五瀬命は矢傷を負って命を落としています。最終的に饒速日命が神武天皇に帰順したことで、長髄彦は孤立し殺されることになりました。歴史は勝者が書くものです。長髄彦は「抵抗勢力」と記録されていますが、彼から見れば神武という侵略者から故郷を守ろうとしただけなのかもしれません。
光と闇
神武天皇と長髄彦を並べて見たとき、建国神話には光と影があることがわかります。一つの国家が始まる前には、必ず排除された人々がいるのです。神武は英雄として人々の記憶に残る存在となり、抵抗した長髄彦はただの「敵」としてその名前を忘れられていきました。しかい彼らは両者とも同じように天神の子孫でした。「正統性」は一つだけではないので、どの視点から物語を読むかによってその光と闇が入れ替わるのでしょう。
この日のテーマ もう一つの物語
神武にまつわる建国記念の日、あえて長髄彦のことを思い出してみましょう。勝者の物語だけが正しいわけではありません。敗者にも物語があり、戦う理由があり、そこには正義がありました。あなたの人生で「敗者」として排除されたものは何でしょうか。それは本当にただの「敗者」だったのでしょうか。光と闇は見る角度によって変わります。複数の視点から見ようとしたとき、本当の姿が見えてくることがあるかもしれません。