クリシュナムルティとブラヴァツキー

365日 光と闇の暦 3月27日 解放を説く者、秘教を築く者 クリシュナムルティとブラヴァツキー夫人

今日の光の神:ジッドゥ・クリシュナムルティ(思想家・自由の探求者)

 ジッドゥ・クリシュナムルティ(Jiddu Krishnamurti)は、神智学協会に救世主として見出され、英才教育を施された人物です。しかし1929年、彼は用意された巨大な組織を解散し、「真理は道なき大地であり、いかなる組織、教義、グルもそこへ至る道ではない」と断言しました。生涯を通じて心理的な権威を徹底して否定し、他者の言葉を鵜呑みにせず、自らの観察のみによって自由を得るべきだと説き続けました。誰の追従者にもなるなという彼の叫びは、既存の宗教構造に対する根源的な挑戦です。

今日の闇神:ヘレナ・ブラヴァツキー(神智学協会創始者)

 ヘレナ・ブラヴァツキー(Helena Blavatsky)は、19世紀末に神智学協会を設立し、秘教的体系を西洋に広めた人物です。彼女はヒマラヤの超人的な叡智の持ち主「マハトマ」を頂点に据え、選ばれた者のみが段階的に秘儀を伝承されるという、強固なピラミッド型の権威構造を築き上げました。古代の叡智が秘密裏に管理されていると説くその思想は、後の精神世界に多大な影響を与えた一方で、その閉鎖的で階層的な組織の在り方は、常に批判の対象ともなりました。

光と闇

 「知る者」が「知らざる者」を導くというブラヴァツキーの秘教的ヒエラルキーに対し、クリシュナムルティは師弟関係そのものが真理を曇らせると説きました。未知の叡智を体系化し、特定の構造の中に人々を留めて導こうとする在り方に対し、彼はその依存心そのものを焼き払い、何ものにも依存しない個の覚醒を求めました。秘儀を積み上げることで神に近づこうとする歩みと、その歩みさえもが執着であるとして自分自身を無に帰す在り方。この二つの思想は、真理への到達における「蓄積」と「全否定」という、相容れない哲学を示しています。

この日のテーマ:権威への依存

 「私の言葉を信じるな」という拒絶を前にして、それでも答えをその相手に求めてしまうのはどのような恐れによる心理が潜んでいるのでしょうか。ピラミッド型の組織や「選ばれた師」に従っていればぬるま湯のような平穏に浸っていられるかもしれませんが、それは真の自由とは言えません。私たちはもし依存しているすべての対象が消えて、自分という存在の基盤を失ったとき、それでも「道なき大地」に立ち続けることができるでしょうか。

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