悪魔図鑑 バフォメット
バフォメット 【Baphomet】
分類:伝説上の存在・象徴的存在
起源:中世ヨーロッパ、特にテンプル騎士団に関連
形態:山羊の頭部を持つ両性具有的な神格
バフォメットとは
バフォメットはフランスのテンプル騎士団に対する異端審問の中で言及された謎めいた存在で、「魔の象徴」「秘密結社の偶像」として扱われることが多い。
十字軍の時代にイスラム教徒を異教徒として敵視していたキリスト教徒たちは、イスラム教の預言者ムハンマドを「偽預言者」「悪魔の手先」とみなして盛んにプロパガンダを作った。ムハンマドを侮辱するために生まれたのが「バフォメット」という言葉だった可能性が高い。
19世紀、オカルティストのエリファス・レヴィによって有名な「山羊のバフォメット像」が描かれたことで、バフォメットは神秘主義・オカルト思想・二元論(善悪、男女性、天上と地上)の象徴とみなされるようになった。
かつてのキリスト教社会では「異教=悪魔崇拝」という図式が一般的だったので、ムハンマド≒悪魔的存在がバフォメットというイメージを作り上げたことになる。
バフォメットの特徴
- 頭部:角を持つ山羊の頭。知恵と野生の力を象徴。
- 上半身:女性的な胸を持ち、両性具有を表す。
- 下半身:ウロボロス(蛇が自らの尾を噛む形)を模した巻き付く蛇。
- 手:右手は天を指し、左手は地を指す。「上なるものは下なるものの如し」という錬金術の格言を体現。
- 額:五芒星(ペンタグラム)が刻まれている。
- 翼:夜を象徴するコウモリの翼を持つことも。
バフォメットの象徴・意味
- 二元性の調和:善と悪、男と女、天と地といった対立概念の統合
- 知識と啓蒙:隠された真理への探求
- 自由意志:外部からの支配を拒み、自らの意志で生きる力
- 魔術・錬金術:秘教的な智慧の象徴
現代におけるバフォメット
現代では、サタニズム団体(サタン教会など)が自由と反逆の象徴としてバフォメットを掲げることがある。だがバフォメットそのものは「悪魔」ではなく、むしろ「超越的な中立存在」として理解されることが多い。