365日 光と闇の暦 2月14日 愛の矢と報われぬ愛 エロスとアンテロス
バレンタインデー
今日の光の神:エロス(ギリシャ神話・愛の神)
エロス(Ἔρως / Eros、ローマ名クピド / Cupid)はギリシャ神話の愛の神で、黄金の矢と鉛の矢を持っています。黄金の矢に射られた者は激しい恋に落ち、鉛の矢に射られた者は愛を拒絶するといいます。エロスは原初の神の一柱ともアフロディーテの息子とも言われますが、愛の喜びと苦しみの両方をもたらす気まぐれな存在です。しかしプシュケーとの物語ではエロス自身が恋に落ち、試練を乗り越えて彼女と結ばれました。
今日の闇の神:アンテロス(ギリシャ神話・報われぬ愛の神)
アンテロス(Ἀντέρως / Antérōs)はエロスの弟で、その名は「反対の愛」という意味です。「報われぬ愛の神」「愛の復讐者」とも呼ばれ、愛されているにもかかわらず愛を返さない者に罰を与えるとされます。アテナイにはアンテロスの祭壇があり、報われぬ恋に苦しむ者たちが祈りを捧げました。エロスが愛を芽生えさせる神なら、アンテロスは愛が報われないときに現れる神です。教は愛を祝う日ですが、すべての愛が実るわけではないという現実をアンテロスは見つめています。
光と闇
「愛を与える側」のエロスと「受け取る側」にあるアンテロスの存在は、古代ギリシャ人が愛の本質を見抜いていたことを表します。愛は生まれた瞬間から報われる可能性と報われない可能性の両方を宿し、一方通行では完結しません。誰かを愛すること、誰かに愛されることは、別の神が司るほど本質的に異なる営みなのでしょう。
この日のテーマ 報われぬ愛の扱い方
私たちは「これだけ愛したのだから同じくらい愛されるべきだ」と無意識に考えていないでしょうか。エロスの矢は取引とは異なり、等価交換の原理で放たれるわけではありません。愛したからといって愛される保証も、愛されても愛し返せる保証もないのです。でも、もし愛すること自体で完結するとしたらどうでしょうか。見返りを求めない愛に損失はなく、逆にあなたの中から豊かさが溢れ出た証かもしれません。