世界のおまじない図鑑 私たちはみんな何かを信じている
科学的根拠はなく、効果が証明されているわけでもない。それでもついやってしまうのが験担ぎやおまじないではないでしょうか。日本人は身体に塩を振って清め、トルコ人は青い目玉のガラスを飾り、アメリカ人は指を交差させる。やり方はバラバラでも、おまじないに込められた思いは同じです。悪いことが起きませんように。良いことがありますように。
日本と西洋でこんなに違う 塩の使い方
日本では体に振りかける
葬式から帰ったら、玄関に入る前に塩で体を清めるのが日本のセオリーです。胸、背中、足元に塩を振って払い落とし、足元の塩を踏んでから家に入ります。相撲では取組の前に力士が土俵に塩をまきますが、これも場を清めるために塩を使っています。
「塩で穢れを祓う」という思想の源流は古事記にあると言われます。伊邪那岐命が黄泉の国から戻ったときに海水で体を洗い清めたことから、塩には浄化の力があると信じられてきました。
西洋では肩越しに投げる
西洋にも塩にまつわるおまじないがあります。日本とは方法が異なり、「投げる」が基本になっています。西洋には「塩をこぼすと不幸が起きる」という迷信があります。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」ではユダの手元に倒れた塩入れが描かれ、塩をこぼすことと不吉な前兆が結びついています。
もし塩をこぼしたら、右手で塩を少しつまんで左の肩越しに投げます。悪魔は人間の左肩の後ろに潜んでいると信じられているので、塩を投げつけて悪魔の目を潰すんだそうです。
青い目玉のアクセサリー
青地に白と黒の同心円が描かれた目玉のようなアクセサリー、少し前に流行ってましたよね。雑貨屋やアクセサリーショップに並んでいたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。「ナザール・ボンジュウ(Nazar Boncuğu)」はトルコ発祥でファッションアイテムとしても人気がありますが、元々は災い除けのお守りです。
中東や地中海沿岸の国々には邪視(じゃし)、嫉妬や悪意のこもった視線で見られると不幸になると信じられています。美しい人や成功者、幸せそうな人は他者からの嫉妬を受けやすいので、視線から身を守るお守りが必要になるのです。この思想は5000年以上前、メソポタミア文明の時代からあったと言われます。
なぜ青い目なのか
ナザールの美しい青色には理由があります。トルコで青は「悪を吸収する色」とされていること、中東では古くから「青い目の人間には呪いをかける力がある」と恐れられていたことです。そんな「青い目」をお守りとして身につけて悪意を跳ね返そうとする-目には目をというわけです。
トルコでは、赤ちゃんの服や車のバックミラー、家の玄関、オフィスの壁など、ナザールはあらゆる場所に飾られています。観光客のお土産アイテムとしても人気ですが、現地の人々にとっては真剣なお守りです。