トールとロキ

365日 光と闇の暦 4月1日 善意の嘘と悪意の策略 ヘルメスとロキ

今日の光の神:ヘルメス(ギリシャ神話・伝令神)

 ヘルメス(Ἑρμῆς/Hermēs)はギリシャ神話の伝令神で、商業、旅人、泥棒、そして嘘の守護者でもあります。生まれた日に揺りかごを抜け出して兄アポロンの牛を盗み、足跡を隠すために牛に靴を履かせて逆向きに歩かせたとされます。見つかったときには嘘をついてごまかそうとしましたが、最終的には亀の甲羅で作った竪琴をアポロンに贈って和解しました。ヘルメスは嘘をついたり策略を練っても悪意はなく、むしろ知恵と機転を持ったトリックスターとしての役割を担っています。

今日の闇の神:ロキ(北欧神話・トリックスター)

 ロキ(Loki)は北欧神話のトリックスターで、巨人族の出身ながらアース神族と共に行動していました。変身するのが得意で、馬、蠅、鮭、老婆などいろいろな姿になりました。ロキは害のない悪戯をしていましたが、やがて悪意を帯びていきます。光の神バルドル(Baldr)の死はロキの策略によるものでした。バルドルを傷つけられるヤドリギを盲目の神ホズ(Höðr)に投げさせたのです。ロキはラグナロクで神々と敵対し、最終的にヘイムダル(Heimdallr)と相討ちになりました。

光と闇

 ヘルメスの嘘は周囲を笑わせて終わりますが、ロキがついた嘘は取り返しのつかないラグナロクという悲劇を引き起こしました。二人の嘘は、嘘をついた後に周囲にどのような影響をもたらすかという点で決定的に異なります。ヘルメスは和解しましたが、ラグナロクは以前のような状態に戻ることはできない不可逆的なものです。嘘をついたあとに残るのは、徹底的な破壊と荒廃した世界かもしれないのです。

この日のテーマ 嘘の行方

 例えば友人が髪を切ったとき、「似合う」と言ったあなたの言葉は本心だったでしょうか。もし本当に思っていなかったことだったとして、それは果たして悪い嘘でしょうか。本当は疲れ切っていても、元気なふりをすることもあるかもしれません。おそらくそれは相手に対する配慮だったはずです。嘘をついたとき、その後に起きたのはどんなことだったでしょうか。笑って許されたこともあれば、後悔することになった嘘もあったのではないでしょうか。結果の違いを引き起こしたのは何だったのでしょう。

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