365日 光と闇の暦 4月12日 海路を開く者と塞ぐ者 ポセイドンとスキュラ
今日の光の神:ポセイドン(ギリシャ神話・海の神)
ポセイドン(Ποσειδῶν/Poseidôn)はギリシャ神話の海の神で、ゼウス、ハデスと並ぶオリュンポスの三大神の一柱です。馬を創った神でもあり、海だけでなく大地を揺るがす力も持っていました。三叉の矛トリアイナで海を打てば嵐が起き、なだめれば凪になるといいます。船乗りたちは出航の前に必ずポセイドンに祈りを捧げ、航海の無事を祈りました。ポセイドンの気分によって海路は開かれも閉ざされもします。気性が荒く気まぐれですが、崇拝者には道を開いてくれる神です。
今日の闇の神:スキュラ(ギリシャ神話・海の怪物)
スキュラ(Σκύλλα/Skýlla)はメッシーナ海峡に棲む海の怪物です。元は美しいニンフでしたが、海神グラウコス(Γλαῦκος/Glaûkos)が彼女に恋をしたために魔女キルケ(Κίρκη/Kírkē)の嫉妬を買い、怪物に変えられました。六つの首にはそれぞれ三列の鋭い歯を備え、通りかかる船から船乗りを一人ずつ攫って食べました。オデュッセウスがこの海峡を通ったときには、対岸の渦巻きカリュブディスを避けてスキュラの近くを通ろうとしたために六人の部下を失っています。
光と闇
ポセイドンには祈ることができます。祈りが届けば海は凪ぎ、航路が開かれます。しかしスキュラには祈りも供物も通じません。世界には働きかけに応じるものと、こちらの事情を一切受け付けないものがあります。前者に対しては行動することが知恵ですが、後者に対しては行動しないことが知恵になります。古代の船乗りがポセイドンとスキュラを同じ海の存在として受け入れていたのは、この二種類の知恵を使い分けていたからなのでしょう。
この日のテーマ どちらを選んでも失うもの
友人が間違った方向に進もうとしているとき、思っていることを言ったほうがいいかどうか迷ったことはないでしょうか。自分の意見を言えば関係にひびが入るかもしれませんが、黙っていたら後になって「言っておけばよかった」と悔やむことになるかもしれません。後になって「選ばなかった方」が正解だったように思えた経験は誰にでもあるでしょう。何を選んでも痛みが伴う選択肢しかない場合があるのです。