365日 光と闇の暦 2月19日 暴君を倒す者 クリシュナとカンサ
雨水(日本・二十四節気)
今日の光の神:クリシュナ(ヒンドゥー神話・愛と戦いの神)
クリシュナ(कृष्ण、Kṛṣṇa 「黒い者」)はヒンドゥー教の神、ヴィシュヌ神の第八の化身(アヴァターラ)です。青黒い肌に黄色い衣をまとった若者で、よく横笛を吹いている姿で描かれます。マトゥラー国の王族であるヤドゥ家に生まれましたが、叔父カンサに命を狙われ、ヤムナー川を渡ってゴークラ村の牧童の家で育てられました。牧女たちとの恋愛でも知られますが、『バガヴァッド・ギーター』ではアルジュナに人生の真理を説く賢者として登場します。愛と戦い、遊びと知恵などを体現する多面性を持った神です。
今日の闇の神:カンサ(ヒンドゥー神話・マトゥラーの暴君)
カンサ(कंस、Kaṃsa)はヴリシュニ王国マトゥラの暴君で、クリシュナの母デーヴァキーの兄、クリシュナの叔父です。アスラ(魔族)が転生したとも言われ、過酷な労働や略奪、恐怖による支配によって民衆から憎まれていました。実の父ウグラセーナ王を投獄して力尽くで王位を奪いますが、「デーヴァキーの八番目の子に殺される」と予言されます。カンサは妹デーヴァキーと夫のヴァスデーヴァを投獄、生まれてくる子供を次々と殺します。しかし八番目の子供であるクリシュナだけは奇跡的に難を逃れ、対岸のゴークラ村で育ちました。成長したクリシュナはマトゥラに戻り、予言通りカンサを素手で倒すことになります。
光と闇
カンサは予言を恐れるあまり、罪のない子供たちを無残に殺し続けました。しかし予言は成就し、自らが開催した格闘技大会でクリシュナに倒されます。恐怖から逃れようとする行動が、かえってその恐怖を現実のものとしたのです。これは「自己成就予言」の原型です。カンサが何もしなければ、クリシュナは普通の王子として育ったかもしれません。迫害された過去があったからこそ、クリシュナは解放者になったのです。
この日のテーマ 恐怖が作り出す現実
あなたは何か恐れているものがありますか?その恐怖から逃れるために何かしているでしょうか。カンサは予言を恐れたあまり罪を重ね、その罪によって予言は実現することとなりました。何かを避けるための行動が逆に避けたい結果を引き寄せることがあります。あまりにも強い恐怖に囚われると視野は狭まってしまいます。その結果として選択肢が減り、恐れていた場所へと追い込まれていくのです。冷静な視点で恐怖を見つめることで、私たちは予言の外に出ることができるのです。