オイリュトミー療法とは何か 音と身体をつなぐシュタイナー医学の運動療法
研究の限界について
これらの研究の多くは対照群を持たない観察研究で、ランダム化比較試験(RCT)はまだ多くありません。2008年と2015年に発表された系統的レビューでも、方法論的な限界が指摘されています。そのため「オイリュトミー療法には効果がある」と断言できる段階ではありませんが、補完療法として一定の可能性を示す結果は得られています。
オイリュトミー療法のやり方 母音と子音の動き
オイリュトミー療法ではそれぞれの音に対応した動き方があります。療法士は症状に合わせてこれらの動きを組み合わせ、個別に指導します。
母音の動き 内面の感情に働きかける
母音は内面の体験や感情表現に関わるとされています。
A(アー)の動き 胸の前から両腕を大きく開きます。心を開き、対象を受け入れる姿勢を表します。感情の起伏が激しいときや、自他の境界が曖昧なときに用いられます。
E(エー)の動き 両腕を胸の前で交差させます。意識を覚醒させ、自己と他者の境界を明確にする動きです。自分を客観的に見つめる力を養うとされています。
I(イー)の動き 心臓の位置から腕を上に伸ばします。自己の中心から外の世界に向かう意志の力を表します。
O(オー)の動き 両腕で円を描くように抱え込みます。対象を包み込み、愛情をもって受け止める姿勢です。
U(ウー)の動き 両腕を平行に下方へ向けます。大地にしっかりと立つ感覚、安定感と集中力に関わる動きです。
子音の動き 外界との関わりを作る
子音は外界との関わり、形成する力に対応するとされています。
M(エム)の動き 波が寄せては返すように、腕を前方へ伸ばし、次に胸元へ戻します。呼吸を整え、心身をリラックスさせる動きです。
L(エル)の動き 波のようなうねりを描く動きです。変化や流れを表し、心身のこわばりを和らげます。
B(ビー)の動き 包み込んで守るような動きです。安心感が必要なときに用いられます。
R(アール)の動き 回転する動きです。停滞したエネルギーを動かし、活性化させるとされています。