365日 光と闇の暦 2月27日 解放者と抑圧者 モーセとファラオ
今日の光の神:モーセ(ユダヤ教・預言者)
モーセ(מֹשֶׁה / Moses)はユダヤ教、キリスト教、イスラム教で「解放」を象徴する預言者です。ナイル川で拾われてエジプト王女に育てられましたが、エジプトで奴隷となっていたイスラエルの民を導き、約束の地へと脱出させました。神「十戒」という律法を授かりましたが、これが後の世界において法や倫理の基盤となりました。しかし、聖書が描くモーセは決して完璧な英雄ではありません。彼は極度の口下手で時には激しく怒ることもあり、神に対しての不信感を抱くこともありました。不完全であるがゆえに最期まで「約束の地」に入ることを許されませんでしたが、その弱さや葛藤がモーセを一人の人間たらしめています。
今日の闇の神:ファラオ(エジプト・抑圧者としての王)
ファラオ(פַּרְעֹה / Pharaoh)は出エジプト記におけるエジプト王で、具体的な名前は記されていません。絶対的な権力を持ちますが、同時に激しい執着に囚われた存在として描かれています。彼はイスラエルの民をエジプトのために酷使し、彼らの人間性を否定し続けました。ファラオは神の要求を十度に渡って拒否します。天変地異や病などの災厄がエジプト全土を襲い、民が悲鳴を上げましたが、彼は支配者という立場を守ろうとしました。最終的には軍を率いてモーセ一行を追撃した結果、紅海で自滅の道することになります。ファラオは権力にしがみつく者の象徴です。彼は手放すべき時に何も手放すことができなかった結果、すべてを失いました。
光と闇
モーセとファラオはどちらも神と対峙しながら、対照的な役割を演じることとなりました。一方は不完全ながらも神の言葉を受け入れ民を解放へと導く道を選び、もう一方は神の災厄を受けながらも「主がその心を硬くした」と記されたように拒絶を繰り返し、抑圧と破滅の道を突き進みました。神という超越的な存在を前にして、解放者となるか抑圧者となるかという二人の立ち位置が明確に対比されています。
この日のテーマ:手放す時機
特権的な地位を捨てて解放の道へ歩み出したモーセと、地位を守るために神からの警告を拒み続けて全てを失ったファラオ。二人の選択は「執着を手放すか否か」がもたらした正反対の結末を表しています。今あなたが握りしめているものは、自分を自由にするものでしょうか、それとも自分を縛り付けるものでしょうか。執着のあまり自らを滅ぼしたファラオの物語は、今日のあなたの目にどのように映っているでしょうか。