テスカトリポカ

365日 光と闇の暦 3月30日 黒曜石の鏡と羽毛の蛇 テスカトリポカとケツァルコアトル

今日の光の神:テスカトリポカ(アステカ神話・夜の神)

 テスカトリポカ(Tezcatlipoca)は、アステカ神話に登場する夜と黒曜石の神です。その名前はナワトル語で「煙る鏡」を意味し、黒曜石の鏡で世界のすべてを見通すとされています。戦争、魔術、王権を司り、創造と破壊の両方に関わっています。「闇」の神のように感じられる存在ですが、アステカでは非常に強い力を持つ神のとして崇拝されました。テスカトリポカは人間の内面を映し出す鏡であり、自己認識を促す存在でもあります。

今日の闇の神:ケツァルコアトル(アステカ神話・羽毛の蛇の神)

 ケツァルコアトル(Quetzalcōātl)は、アステカ神話でも特に有名な羽毛を持つ蛇の姿をした神です。ナワトル語で「羽毛ある蛇」を持つこの神は風、知識、文明を司り、人間に暦や農業を教えた英雄と位置づけられています。多くのエピソードで「光」の側として扱われますが、テスカトリポカの策略で酒に酔い、女性と性的な関係を持つという禁忌を犯したために支配者の地位を追われ、東の海に去ったといいます。ケツァルコアトルは完璧な神ではなく、堕落しうる存在でもあったのです。

光と闇

 テスカトリポカとケツァルコアトルは宿敵とされますが、その関係性は単純なものではありません。どちらも創造に関わり、またどちらも破壊に関わります。光と闇は交互に入れ替わり、どちらが「善」かは固定されていません。アステカの世界観は二元論ではなく、循環と変容の論理で動いていました。今日の敵が明日の味方となりその逆もまた然りという状況では、善悪は単純に固定されたものではなく、流動するものなのです。

この日のテーマ 鏡に映る自分

 あなたが他者に見せる顔と、鏡に映る顔は同じですか?本当の自分はどんな顔をしているのでしょう。テスカトリポカの黒曜石の鏡は、あらゆることを見通すといわれます。仮面の下にある本当の顔を見つめる勇気を持たなければ、鏡がいくら真実を映したとしても私たちはその顔を見ることができません。真実を受け入れるかどうかは、自分者次第なのです。

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