ダフネとアポロン

365日 光と闇の暦 4月6日 追う者と逃げる者 アポロンとダフネ

今日の光の神:アポロン(ギリシャ神話・太陽神)

 アポロン(Ἀπόλλων/Apóllōn)はギリシャ神話の太陽神で、音楽・詩・医術・予言も司っています。竪琴と弓を持った美しく若々しい神ですが、ダフネの神話ではこの輝く神が追跡者として登場します。アポロンはエロス(Ἔρως/Érōs)の金の矢を受け、ニンフのダフネに激しく恋い焦がれました。一方ダフネには鉛の矢が刺さっていて、アポロンへは嫌悪感しか持てません。エロスの矢によるすれ違いの中で、アポロンはひたすら追い、ダフネはひたすら逃げ続けました。

今日の闇の神:ダフネ(ギリシャ神話・月桂樹のニンフ)

 ダフネ(Δάφνη/Dáphnē)は河の神ペネイオス(Πηνειός/Pēneiós)の娘で、狩りを愛する処女のニンフです。アポロンに追われて逃げ続けましたが、ついに追いつかれそうになった彼女は父に助けを求めます。するとダフネの体は硬くなって足は根を張り、腕は枝に、髪は葉に変わって月桂樹になりました。アポロンは目の前で愛した相手が木になっていくのをただ見ているしかありませんでした。アポロンは月桂樹を自分の聖なる木として、永遠にその葉を身につけるようになったのです。

光と闇

 多くの物語で光として描かれるアポロンですが、ダフネに対しては執拗な追跡者となりました。エロスの矢が原因とは言え、ダフネの気持ちを無視して追いかけ続けたのはアポロン自身です。愛は美しいものですが、一方的な愛は暴力になる場合があります。月桂樹は競技者にとって勝利を意味する栄冠ですが、その起源にあるのは逃げ場を失ったニンフの絶望でした。アポロンは手に入らなかったダフネを永遠に身につけましたが、果たしてこれは勝利だったのでしょうか。

この日のテーマ 追うという行為

 好きな人に何度も連絡したり、返事が来ていないのにまた連絡を入れたり…。その人にとっては相手への好意からくる行動なのかもしれませんが、どう感じているかを考えているでしょうか。恋愛だけではなく、部下を育てたいあまり干渉しすぎる上司や子供を守ろうとするが故にコントロールしてしまう親なども同じように、追う側の気持ちが純粋であればあるほど、追われる側の息苦しさは見えにくくなるのかもしれません。

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