ナトロン湖

世界の都市伝説:石化してしまう湖

 世界の都市伝説を巡るお話、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。

 アフリカのタンザニアに入ると石化してしまう湖があると言う都市伝説があります。ある写真家がこの湖を撮影しに行った時に、湖のほとりで動物が生きたまま石になってしまったかのような動物の遺骸が発見されました。

 湖は真っ赤に染まっていて、何とも不気味な湖として有名になりました。石になってしまうと言えばメデューサが思い浮かびますよね。この湖も例にもれず”メデューサの湖”や落ちたら必ず死を迎えてしまうことから”死の湖”などとも呼ばれる事があります。

 実は、この湖はタンザニアのナトロン湖と言う場所で実在する湖で、強アルカリ性の塩湖です。湖底や周囲から湧き出す水が水源となっていますが、流出口となる川のようなものが無くて水分は蒸発でのみ無くなるそうです。周囲の土地が塩性なので水源に混ざった塩分が逃れることもなく湖に残ってしまい、非常に高いアルカリ性の湖となっています。

 身近なもので言うとハイターの原液に近いpH値をしているのでナトロン湖の水を触ると指の皮膚の表面が溶けてヌルヌルするそうです。更に水温が高い場所もあり熱水泉の近くでは50度になります。熱い上に強アルカリ性で塩分が染み込んでくるなんて想像しただけで痛くなってきますね…。

 湖が赤くなる現象は、乾季の水が少ない時期になると好塩性微生物と呼ばれる微生物が繁殖をはじめ、この中の藍藻類(らんそうるい)と呼ばれる藻の仲間が持っている赤い色素によって赤く見えるそうです。日本でもアオコの大発生と呼ばれる緑色の藻が川や湖を覆ってしまう現象がありますね。それと赤潮と呼ばれる海に発生する植物プランクトンが持つ赤い色素で海が赤く見える現象があったり、湖や海が赤く見える現象は世界各地で見られるものです。

 石化してしまう現象については詳細がわかっていませんが、恐らく高濃度の塩分によって塩漬けのような状態になってしまった事で腐敗することもなく水分を吸い取られた遺骸が石化したような状態になったのではないかと言うことでした。

 このナトロン湖のナトロンはナトリウムの語源であるとされていて、古代エジプトでは乾燥剤としてミイラづくりにも活用されていたそうです。となると、石化した動物たちは塩分によってミイラ化してしまった遺骸だったと言うことなのかも知れませんね。

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