365日 光と闇の暦 2月15日 愛のために剣を捨てた神 フレイとスルト
ルペルカリア祭(古代ローマ)
今日の光の神:フレイ(北欧神話・豊穣の神)
フレイ(古ノルド語: Freyr / 主)は北欧神話の豊穣の神です。ヴァン神族の出身でフレイヤの双子の兄弟にあたり、太陽の光と雨を恵んで農作物を実らせます。黄金の毛を持つ猪グリンブルスティ(Gullinbursti / 黄金の剛毛)に乗り、どんな風にも逆らえる魔法の船スキーズブラズニル(Skíðblaðnir)を持っていました。フレイは無敵の剣の所有者でしたが、巨人の娘ゲルズ(Gerðr)への愛のためにその剣を手放しました。ラグナロクにおいて剣を持たずにスルトと戦う運命を選んだのです。彼は愛のために武器を捨てた神として知られています。
今日の闇の神:スルト(北欧神話・炎の巨人)
スルト(Surtr)は北欧神話に登場する炎の巨人で、ムスペルヘイム(Muspelheim / 炎の国)を支配しています。燃え盛る剣を持ち、ラグナロクでは決定的な役割を果たします。終末の時、スルトは炎の軍勢を率いてアースガルズに攻め込み、フレイに勝利しました。そして世界は焼き尽くされたのです。スルトは純粋な破壊の力です。個人的な悪意はなく、ただ終末をもたらす存在として宇宙が定めた使命を果たしました。北欧神話ではラグナロクの後に新しい世界が生まれます。スルトの破壊は絶対的な終わりではなく、新しい始まりへの道でもあるのです。
光と闇
フレイは「手放す」ことで愛を選び、スルトは握りしめた剣で世界を焼きました。この二柱の神々は、何を手にするかではなく何を手放すかで人が決まることを表現しています。フレイは武器を失いましたが愛を得ました。一方のスルトは力を振るいましたが、それ以外の何者にもなれなかったのです。手放すことは弱さではなく、違う形の強さへの変容への過程です。
この日のテーマ 何を手放すかが何者かを決める
私たちは地位や能力、財産、人間関係など「何を持っているか」で自分や他者を定義しがちです。しかしフレイの神話は、手放すことで得られるものがあると教えています。愛のために剣を捨てたフレイは戦士としては弱くなりましたが、愛する者を持つ存在になりました。あなたが握りしめているものは何でしょうか。それを手放したら何が残るのでしょう。残ったものはあなたの本質かもしれません。恐怖を超えて手放した先に、本当に大切なものが見えてくるかもしれません。