世界の都市伝説:赤い手紙
世界の都市伝説を巡るお話、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。
今回は台湾で広く知られている「赤い手紙」のお話をしたいと思います。2010年代後半にSNSでバズったことで知られるようになりました。
ある大学生の男性が、夜にバイクで帰宅途中、道端に赤い封筒が落ちているのを見つけました。中を確認すると、1000元札が数枚と女性の写真、戒名のようなものが書かれた小さな紙が入っていました。「ラッキーだ」と思って持ち帰った彼に、その夜から異変が起こり始めます。部屋の空気がいつもよりひんやりと感じ、毎晩金縛りにあうようになりました。部屋には彼以外にはいないのにどこからか視線を感じるようになりました。数日すると、夢の中で封筒に入っていた写真に映っていた女性が現れ、こう告げたのです。
「あなたは私の夫です。これで永遠に一緒ですね。」
男性はパニックになり霊媒師に相談をしにいきました。霊媒師は彼と封筒を見てこう言いました。
「これは冥婚です。封筒を拾った時点で婚姻は成立してしまっています。」
なんとこの男性は封筒を拾ったことで霊魂と婚姻関係が成立していたのです。婚姻を解消するには離魂の儀式を行わなければなりません。依り代になる紙の人形とお金を焼き、死者の魂に別れを告げる。この男性は霊媒師のアドバイスを受けて儀式を行い、ようやくその霊は消えました。
このような話がSNSを通じて広まりました。台湾人だけど聞いたことあるけど見たことはない、日本人だけど赤い封筒を見たことがある、と反応は様々ありました。赤い封筒は日本で言う”ご祝儀袋”にあたり、そもそも台湾農村部の風習だったそうです。台北市内で赤い封筒が落ちているかと言うとそんなことはないみたいですが、風習としては台湾に存在すると言うことでした。
日本でも山形県の風習で”ムカサリ絵馬”と言う、未婚のまま亡くなった故人を供養するために結婚式の様子を描いた絵馬を奉納する風習があります。赤い手紙も、若くして亡くなってしまった身内や家族のために、あの世で楽しく幸せになるようにとの願いや一人前になって欲しかったと言う親心から出来た風習なのかも知れませんね。
赤い手紙とムカサリ絵馬の決定的な違いは、ムカサリ絵馬は実在する人物を描かないと言うことです。もし描いてしまうとあの世に連れていかれてしまうと言われています。どちらにせよ台湾に旅行へ行った時、赤い封筒が落ちていたとしても触らない方が良いでしょう…。
しかし、日本限定ではありますが、ポストに国から赤い封筒が入れられていたら!それは納税や保険料などの督促状、しかも最終通告の赤い封筒なので即座に確認して支払ってください。さもないと本当に恐ろしいことが起きますからね…。