トンカラトン

世界の都市伝説:トンカラトン

 世界の都市伝説を巡るお話し、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。

 平成の時代に大流行した都市伝説「トンカラトン」。あなたは覚えていますか?テレビアニメ「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!」の中で紹介されたことがきっかけで広がっていきました。当時は学校の怪談ブームでもあり、花子さんを初め、闇子さんやテケテケ、人面魚など今は定番化した怪談が当時の子供たちにトラウマを植え付けました。


その中でも見た目と対応を間違えると斬り殺されると言うインパクトが強かったトンカラトンは大人になっても忘れられない恐怖を植え付けました。

 あれは深夜、帰宅途中のことでした。街灯もまばらで、静まり返った裏道を自転車で走っていると、遠くから金属音と異様な歌が聞こえてきました。

――トン トン トンカラ トン…

 暗がりに白い影が見えました。全身ぐるぐるの包帯に巻かれた人物が、自転車に乗ってこちらに向かってきます。手にはぎらりと光る日本刀。目だけが、こちらを鋭く見据えていました。

 そして、その怪物は口を開きました。

「トンカラトンと言え」

 思わず息を呑みます。言えば去っていく…でも、もし言わなければ刀で斬られ、トンカラトンにされてしまうという噂が頭をよぎりました。私は声を震わせながら、必死で呟きました。

「…ト、トンカラトン…」

 怪物はぴたりと止まり、しばらくこちらを見た後、音もなく路地の闇に消えていきました。背筋が凍る思いでした。もしあのとき言わなかったら――想像するだけで震えます。

 それ以来、帰宅時に後ろから近づいてくる自転車の気配だけであの時を思い出してしまい気が気ではなく、そしてあの冷たい目が頭から離れません。トンカラトンの呪いは本当に存在するのかもしれない、と今でも思わずにはいられません。

 この話は当時のスタッフの創作物だったのではないかとオカルト界の重鎮がスタッフに尋ねたところ、創作ではなく故郷で聞いた話だとのことでした。しかしそのスタッフと連絡が取れなくなってしまったため、その故郷がどこだったのかなどの詳細は不明となってしまったそうです。

 これを読んでトンカラトンを思い出してしまった方もいるかも知れません。いないと思ったものがいる、いると思ったものがいない、オカルトってそんなものだし、忘れた時にこそ遭遇してしまうものなんですよね…。

 意地をはらず素直にトンカラトンって返しましょうね!トンカラトンって言え!って言いながら斬られてしまうパターンがあることも忘れずに。

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