桃娘

世界の都市伝説:桃娘(タオニャン)

 世界の都市伝説を巡るお話、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。

 今回は古代中国の富豪たちに流行していたとされる「桃娘(タオニャン)」をご紹介したいと思います。桃娘(タオニャン)は中国の都市伝説の一つで、桃と水だけで育てられた少女のことを言います。桃娘として育てられた少女は身体全体から桃の甘い香りが漂い、その体液は不老不死の薬効を持つと信じられていて、貴族や富裕層の間で珍重されていたそうです。もちろん桃と水だけでは生きてはいけないので非常に短命だったようで、特に大事に育てられたと言われていました。

 人間のあくなき欲望は時に道徳心や倫理観を超えてしまうのが怖いところです。

 古代中国で”桃”は特別な果物だと信じられていて、健康や長寿の象徴として扱われていました。道教の影響が強く、中国神話に出てくる西王母は崑崙山にすむ仙女で、不老不死の存在であり全ての仙女を統べる最高位の存在の仙女として信仰されていました。この西王母が管理していたのが不老不死の仙桃”蟠桃”です。食べると不老不死を授けられると信じられていました。西遊記で孫悟空が盗み食いをしたのもこの蟠桃と言われていますね。古代中国の民間伝承では3月3日が桃の節句なのもこの西王母の誕生日が起源とされています。

 と、古来より桃は生命に関するものとして扱われてきました。日本では桃太郎の起源についても色々と言われています。桃から直接生まれるのが現在では主流ですが、昔は桃を食べたおじいさんとおばあさんが若返って子をなした話が主流だったとも言われています。

 このように桃には不思議な力があると言うのは古来より信じられてきた背景がありました。しかし自分の長生きのために桃娘を育てるなんて今の時代では考えられないですよね。そもそも水と桃だけで生きていける訳もないし虐待だし人権侵害だし本当なのかどうかも怪しいですよね。

 桃だけで生きていける訳…フルーツだけで…フルーツだけで…ね。

 あ!日本にフルーツだけで生きてる人いたー!

 TBS系の番組”マツコの知らない世界”にも何回か出演されるフルーツ研究家の方なんですが、自らを実験台としてフルーツのみの食生活で生きていけるのかを実験をしているんです。水分もフルーツから摂る徹底っぷりでもう15年以上フルーツだけで生きているとんでもない方です。その方はやっぱり体臭が少し甘いフルーツの香りになったと。虫や鳥間違えて寄ってきたみたいなエピソードを聞いたような気がします(笑)

 しかしこの方は自己責任で、健康診断や血液検査など適切な状態を見極めながら行っているので古代中国と一緒にしてはいけません。糖尿病や痛風なども無く至って健康だとおっしゃっていますが決してマネをしてはダメですよ。

 色々と総合して考えると、やっぱり桃と水だけで育てられた桃娘と言うのは都市伝説で、もちろん不老不死の薬効などはないのが真実だと思います。

 最後に、ここまでのご紹介の中で「中国の都市伝説」と言っていますし、なぜか日本で桃娘が話される時は”中国の””中国では”と言われますが、中国には桃娘の話なんてどこにもないんですよ…。日本でまことしやかに話される中国の都市伝説と言うのが一番怖いところだと思います。

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