泥棒避けのハーブとは
ハーブにはどんな効果があるのでしょうか? 現代人がそう尋ねられたときに連想するのは、ハーブそのものに含まれる薬効成分や、アロマセラピー的な芳香治療からの効果、といったものでしょう。
しかしつい最近まで世界中の魔女たちがハーブを最も多く使ってきた分野は「お守り」なのです。手縫いの袋に入れて持ち歩いたり、ベッドの枕元に吊るしたりと方法こそ様々ですが、そこに通じるのは「悪いことが起きてきませんように」という、素朴な祈りでしょう。
その中でも多くお守りに込められた願いは「窃盗よけ」でした。ここで、どうせならばもっと大きな願掛けをすれば良いのに、と思うのは、現代人の傲慢かもしれません。つい100年ほど前までは、伝染病や自然災害といったレベルの不運となれば、もう人は諦めて神に祈るくらいしか、なすすべはありませんでした。でもこれが窃盗となれば話は別です。はっきりと人間が行う災いだとわかっている訳だから、同じ人間である自分がなんらかの防御策を講じれば、防げるはずだ、と考えたのは理解できます。
その窃盗よけに最も効果があるハーブが「キャラウェイ」です。今でも、恋敵に恋人を盗まれないように、という呪術によく使われるほどです。さて、キャラウェイは、どうして窃盗よけの効果があるのでしょう。
キャラウェイの歴史は古く、シーザーの軍隊もこのハーブを使ったパンを食べていた記録があるほどです。その薬効は主に健胃作用だが、ハーブを入れた食物は腐りにくくなるため、健胃作用と相まって、防腐作用も期待されていました。
腐らないパンは、ずっと手元に置いておける。だから、キャラウェイを使えば、自分のものを手放さないで済む……おそらくは、そんな連想から、キャラウェイ=窃盗よけ、となったのでしょう。
そして今では、その甘い香りが恋人を止める効果がある、ともいわれています。2000年以上の時間を生きながらえてきた窃盗よけのハーブ。その効果を試してみる価値はあるでしょう。
(ヘイズ中村 魔女・魔術師&占い師・執筆家
中学生時代から研究と修行の道に入ったのに神秘性の欠片もない神秘家
HP https://www.fortunamoon.com)