
カバラの瞑想 神と繋がる文字と呼吸の実践
カバラ(Kabbalah / קַבָּלָה)はヘブライ語で「口伝え」「伝承」「受け取ったもの」を意味します。ユダヤ教の創造論、終末論、メシア論にも関連する神秘主義思想で、秘教かつ口伝として一部の人々に伝えられてきました。カバラは人が「神」や宇宙を直接体験する=神や宇宙と一体となることで真の自己に目覚めることを目的としています。宇宙観に密教との類似性が見られ、「西洋の密教」と言われることも。
カバラによる宇宙と魂の仕組み
アイン・ソフ אין סוף
カバラでは「創造主・神の本質」とそこからの流出、それに続くさまざまな顕れを区別しています。神の本質、最も高次の側面がアイン・ソフで「永遠、無限界、無制約」という意味を持ちます。アイン・ソフはあらゆる思考を超越した存在で、知ることができず、形がなく、無限の単一性です。二元性に無関係のため、当然ですが男性原理でも女性原理でもありません。
生命の樹 Tree of Life
生命の樹はカバラの中心的なシンボルです。セフィロト(ספירות)と呼ばれる10のエネルギーセンターと、それを繋ぐ22のパス(道)で構成されています。この木は神と人間、宇宙の構造を理解するための地図でもあります。一般的に神話学などでは「生命の木」、聖書に関する場合は「生命の樹」と表記されます。
セフィロトは神の異なる側面を表していて、最上位のケテル((כתר、王冠)から最下位のマルクト(מלכות、王国)まで10の段階があります。ケテルは神の無限性と最高の意識の象徴で、物質世界に最も近いマルクトは物質的な存在を表します。各セフィロトを繋ぐ22のパスはヘブライ文字に対応していて、それぞれのパスが異なるエネルギーと意識の状態を表しています。
瞑想やスピリチュアルな探求では、この構造が自らの内面を知るための指針となります。生命の樹を理解することで自分への理解を深め、神との一体感を感じられるようになっていくのです。
カバラの瞑想法
カバラには古代から伝わるさまざまな瞑想法があります。
逆向き瞑想 Reverse Meditation
B.C.1世紀の神秘主義者フィロンも行っていた古代からの瞑想です。カバラでは意識の覚醒が主要目的の一つになっていますが、この瞑想は日常の思考や行動を意識化するために行います。普段私たちは無意識・機械的に生きている時間が多く、それが霊的成長を妨げると考えられていました。
実践方法
寝る前にその日の自分の行動を巻き戻すように、朝起きた時もしくは起きる前に見た夢まで思い出していきます。漠然としか思い出せない時間帯があれば、その時間帯は受動的・機械的に生きていたことになります。この瞑想を続けると日常生活を意識的に過ごせるようになり、神との繋がりを感じやすくなっていきます。

