鬼石を囲む勇壮な舞!下関に伝わる天下の奇祭
山口県下関市・忌宮神社の境内には鬼石と呼ばれる石がある。新羅の塵輪に勝利した際その首を埋めて上に石を置いたが、塵輪の顔が鬼に似ていたので鬼石と呼ばれるようになったのだという。ここでは毎年「数方庭祭(すほうていさい)」が行われ、男子が大幟(おおのぼり)、女子が切籠(きりこ)と呼ばれる灯籠を掲げ、鬼石の周囲を舞い踊る。今回、1800年以上の歴史を持つというこの「天下の奇祭」について調べてみた。
高さ30m!巨大な“しなる竹”
この祭りの目玉は、何といっても大幟。30メートル以上もある長い竹竿に旗をつけたもので、重さはなんと100キロ以上!この大幟が霊界と現世をつなぐのだという。これを男たちが担ぎ、バランスを取りながら境内を歩き回るというのだから驚きだ。
しなる竹の動きが風や場のエネルギーを感知し、霊的な波動を増幅する役割を持つとされる。境内を練り歩くという行為は、地脈のエネルギーを調整する儀式とも言える。この動きについてある研究者は「龍脈」と呼ばれるエネルギーの流れを整え、土地の災厄を遠ざけるためのものだと指摘している。忌宮神社のある下関は日本列島と大陸のエネルギーが交わる地点にあり、霊的な結節点となっている。
戦魂と共鳴する現代
戦の時代は終わっても、数方庭祭は未だ色褪せず魅力的だ。男衆が大幟を担ぐ姿は、武士の魂が現代に蘇って神と共鳴しようとする姿にもなぞらえられる。その汗と叫び声は過去と現在の境界を曖昧にし、民俗学者の中には、この祭りを「時間軸を超えた霊的対話」だと言う者もいる。祭りの夜、境内に響く竹の軋みや熱気が、時空の扉を開く鍵なのかもしれない。
永遠なる神事の謎
数方庭祭は、戦いの記憶や龍脈の霊性、そして人間と神の契約を表している。現代に生きる人間が神や過去の魂と向き合い、未来を祈るという伝統の重要性を教えてくれる。1800年の時を超え、この祭りは今も下関の地に息づいているのだ。
【アクセス情報】
忌宮神社(いみのみやじんじゃ)
所在地:山口県下関市長府宮の内町
数方庭祭の開催時期は毎年8月