Three apparations of the visage of Gala by Salvador Dali

「私を殺して」と言った女 サルバドール・ダリとガラ・エリュアール 増補版

独自の回路で共に在る

 もちろん、彼らの極端なスタイルを真似る必要はない。だが大切な人を「自分の世界を邪魔するもの」と遠ざけるのではなく、その人の存在を「自らの世界観を完成させるための不可欠なピース」として捉え直すことはできるのではないだろうか。

 ダリとガラの凄絶な50年を思い出してほしい。「完璧な関係」などどこにもないのだから、世間の「普通」に自分たちを当てはめる必要もないのだ。例え人からはどれほど歪に見えたとしても、自分の世界に欠かせない存在として相手を受け入れる覚悟さえあれば、それは最強の「回路」になる-恋愛は「新しい世界をこじ開ける鍵」になり得るのだ。あれほど型破りな生き方をしながらも50年以上離れなかったダリとガラの人生は、「愛する相手との共同作業によって一人では到達し得ない領域に辿り着ける」という事実を証明している。

ダリの言葉

 最後に「現実を通過していた者」の言葉をいくつか紹介しよう。

「完璧を怖れる必要はない。決してそこには到達しないから」
「大切なことは混沌を拡大することだ。混沌を消し去ってはいけない」
「天才になるには天才のふりをすればいい」
「間違いは神聖なもの、それを正すというよりは合理的に考え、誤りを理解せよ。そうすれば間違いを昇華することが可能になる」
「私はドラッグをしない。私自身がドラッグだ」
「毎朝起きるたびに、私は最高の喜びを感じる。『サルバドール・ダリである』という喜びを」

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