365日 光と闇の暦 1月29日 未来仏と現在の誘惑 弥勒菩薩とマーラの軍勢
未来仏と現在の誘惑 弥勒菩薩とマーラの軍勢
今日の光の神:弥勒菩薩(仏教・未来の救世主)
弥勒菩薩(みろくぼさつ / Maitreya)は仏教の未来仏、サンスクリット名マイトレーヤは「慈しみ」という慈悲の化身です。兜率天(とそつてん)という天界で修行していて、釈迦入滅から56億7000万年後に人間界に降りて悟りを開き、すべての衆生を救済するとされます。弥勒は希望の象徴です。どんなに暗い時代でも、いつか弥勒が現れて世界を救うという信仰が人々に希望を与えてきました。日本では平安時代以降に盛んになった弥勒信仰ですが、特に鎌倉時代の動乱期に弥勒の世への憧れが強くなりました。弥勒は半跏思惟、右足を左膝に乗せて右手を頬に当てた思索する姿が有名です。弥勒菩薩はどうすれば衆生を救えるか深く考えているのです。
今日の闇の神:マーラの軍勢(仏教・煩悩の軍団)
マーラ(māra / 魔羅)は1月15日にも登場しましたが、今日は彼の軍勢が焦点となります。釈迦が菩提樹の下で悟りを開こうとしたとき、マーラはさまざまな形の煩悩から成る軍勢を率いて攻撃しました。恐怖、疑念、怠惰、傲慢、欲望。愛欲、嫌悪、渇愛を擬人化したマーラの娘たちは釈迦を誘惑しようとし、息子たちは混乱と妄想として表れます。これらすべてが襲いかかりますが、釈迦は動じませんでした。マーラの軍勢は外部の敵ではなく、私たち自身の内側にある障害です。悟りを妨げるすべてのもの、修行を邪魔するすべてのもの。それらがマーラの軍勢なのです。
光と闇
弥勒は未来への希望を、マーラの軍勢は現在の誘惑を表しています。弥勒は「いつか来る救済」ですが、その「いつか」は56億7000万年後という気の遠くなるような未来です。一方マーラの誘惑は「今現在」です。今、楽になりたい。今、満足したい。弥勒菩薩とマーラは、希望を持つことと目の前の誘惑に負けないことの難しさを対比しています。「いつか」を待っている間もマーラの軍勢は絶え間なく襲ってきます。弥勒を待つだけでは不十分で、私たちは遠い未来の希望を持ちながら一瞬一瞬マーラと戦い続ける必要があります。
この日のテーマ 遠い希望と今の戦い
いつか叶う夢、いつか訪れる幸せ。それは遠い未来かもしれませんが、希望を持ち続けることは大切です。私たちは希望がなければ生きられないのです。そして現在の戦いもまた重要です。マーラの軍勢-ありとあらゆる欲望は絶え間なく私たちを襲ってきます。「どうせ無理だろう」という疑念、「今日だけは休もう」という怠惰、「もっと楽な道があるはず」という誘惑…この瞬間マーラに負けないことが、弥勒を迎える準備なのです。