シーシュポス

365日 光と闇の暦 4月13日 死者を導く者と留める者 ヘルメスとシーシュポス

今日の光の神:ヘルメス(ギリシャ神話・魂の導き手)

 占星術では水星を表すヘルメス(Ἑρμῆς/Hermēs)は伝令や雄弁、商業や旅行の守護など多くの役割で知られていますが、それだけでなくプシュコポンポス(ψυχοπομπός/psychopompós、魂の導き手)としての側面も持っています。死者の魂を冥界へ導くプシュコポンポスは黄泉の国への道を知る唯一の神で、死者が迷わず冥界に辿り着けるよう案内します。多くの役割を持つヘルメスは境界を守護する神でもあり、生と死の境界もまたその領域なのです。

今日の闇の神:シーシュポス(ギリシャ神話・狡猾な王)

 シーシュポス(Σίσυφος/Sísyphos)はコリントスの王で、その狡猾さで知られていました。死の神タナトスが迎えに来たときに騙しうちで縛り上げたことが原因でしばらく誰も死ねなくなりました。妻に自分の葬儀をしないよう命じており、冥界に連れて行かれてからペルセポネに「葬儀をするために戻りたい」と嘘をついて現世に戻りました。シーシュポスは最終的に、永遠に岩を山頂へ押し上げなければならず、また転がり落ちた岩を押し上げるという罰を受けています。

光と闇

 死を受け入れた者はヘルメスの導きによって次の場所へ進むことができます。死を拒んだシーシュポスは、岩を運ぶために永遠に山道を登り続けることになりました。ヘルメスの助けを借りて軽やかに境界を越えることも、シーシュポスのように全力で抗い続けることも、人間の魂の表現かもしれません。ただ、シーシュポスが抗い続けた「自身の死」はすでに起き、残ったのは意味のない永遠の運動だけでした。

この日のテーマ 死を欺いた者の末路

 終わらせるべきものを終わらせないでいるとき、似たような問題が繰り返されることに気づいているでしょうか。終わった関係を忘れられずにいると次の相手とも似たパターンが繰り返されたり、合わない場所にしがみついて同じようなトラブルを何度も経験したりすることがあります。シーシュポスが象徴しているのは、終わらせるべきものを終わらせずにいた人の日常です。運び続けている岩から手を離せば、あなたは身も心も軽くなれるはずです。

関連記事一覧