デメテル

365日 光と闇の暦 4月15日 豊穣と飢餓 デメテルとエリュシクトン

今日の光の神:デメテル(ギリシャ神話・豊穣の女神)

 デメテル(Δημήτηρ/Dēmḗtēr)はギリシャ神話の穀物と豊穣の女神です。大地に豊かな作物を実らせ、人々に農耕を教えたと言われています。冥界の王ハデスが娘のペルセポネを奪い去ったとき、デメテルが嘆き悲しんだために大地には作物が実らなくなりました。世界には飢餓が広がり、神々も困り果てたといいます。最終的にペルセポネは年の三分の一を冥界で、残りを地上で過ごすことになり、春が生まれた起源となりました。

今日の闇の神:エリュシクトン(ギリシャ神話・飢餓の王)

 エリュシクトン(Ἐρυσίχθων/Erysíkhthōn)はテッサリアの王で、デメテルが大切にしていた聖なる樫の大木を切り倒しました。この木に宿っていたニンフたちは彼に惨殺され、激怒したデメテルはエリュシクトンに癒えることのない永遠の飢餓を与えました。財産を食いつぶし、娘まで売り払って食べ続けても満たされず、最後には自分の指や手足まで食べることになりました。エリュシクトンは飽くことのない欲望、自らを滅ぼす貪欲の象徴です。

光と闇

 デメテルは豊かさを与える母性的な女神ですが、同時にそれを奪う力も持っています。娘を失った悲しみで世界から収穫を奪い、大切にしていた聖域を汚した者に残酷な罰として永遠の飢えを与えました。豊穣と飢餓は表裏一体です。エリュシクトンは聖なるものを冒涜したために、永遠に満たされなくなりました。人間が叶えられる欲望には限度があり、程度を超えたら自分自身を食い尽くすことになるのです。

この日のテーマ 飢えの本質

 ほしかったものを手に入れたとき、それだけで満足できなかったことはありませんか?手に入れたものが呼び水となり、際限のない欲望を喚起させてしまうことがあります。その欠乏感はいったいどこから来ているのでしょうか。何をどれだけ手に入れても「まだ足りない」と感じるとしたら、本当に足りていないのは物ではなく別の何かかもしれません。満たされないものを外から埋め続けるとき、あなたが消費しているのは何なのでしょうか。

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