ジェームス・ディーンとポルシェ

リトル・バスタード ─ ジェームズ・ディーンの呪われたポルシェ

残された部品

 ジェームス・ディーンのポルシェだったものは完全に消失したわけではなく、2020年3月、マサチューセッツ州でトランスアクスル(駆動系部品)が発見されている。コレクターに売却されて納屋に保管され、木箱の中で30年間眠っていたものだ。この部品はオンラインオークションサイトで38万7000ドルで落札された。

 購入者は、テレビ番組「ゴースト・アドベンチャーズ」の司会者で、ラスベガスの「ザック・バガンズ・ホーンテッド・ミュージアム」を運営するザック・バガンズだった。

呪いは本物か?

 リトル・バスタードの呪いについては、懐疑的な見方も存在する。

バリスの宣伝説
 ジェームズ・ディーンの歴史研究家リー・ラスキンは著書『James Dean: At Speed』の中で、呪いに関するエピソードの多くはジョージ・バリスの創作または誇張だと主張していて、実際にいくつかのエピソードは検証不能だ。バリスは生粋の宣伝マンだった。ポルシェの残骸を所有していることで注目を集め、展示で収益を上げた。「呪われた車」というストーリーは商業的に有利だったのだ。

偶然の一致説
 1950年代のレースは危険だった。安全基準は今日とは比較にならないほど低く、レーサーの死亡事故も珍しくない。エシュリッヒとマクヘンリーが同じレースでクラッシュしたのは、単純に当時のレースが危険だったからかもしれない。また、組み付けの不備や部品の適合性の問題があった可能性もある。

 ディーンの事故での生存者ロルフ・ヴュテリッヒはドイツに帰国した。1981年に亡くなった彼の死因も自動車事故だったため、これも呪いだという人もいる。だが事故から26年後の出来事を「呪い」と言うには無理があるだろう。

呪われた車?リトル・バスタード

 ジェームズ・ディーンの「リトル・バスタード」は「呪われた」車の中でも特に有名だ。だがその呪いが本物かどうかは結局のところ証明できない。バリスによって誇張された面は確かにあるだろう。だが部品を購入したレーサーの死、展示中の事故、そして突然の消失などの全てが作り話とは言えない。

 2021年に落札されたトランスアクスルは、今でもラスベガスのザック・バガンズ・ホーンテッド・ミュージアムに展示されている。興味のある方は見学に行ってみてはいかがだろうか。ただし、もしあなたが車のオーナーなら「リトル・バスタード」の部品を自分の車に使うのは避けた方がよさそうだ。

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