オイリュトミーを行う子供たち

オイリュトミー療法とは何か 音と身体をつなぐシュタイナー医学の運動療法

オイリュトミー療法が向いている人

 オイリュトミー療法は幼児から高齢者まで幅広い年齢層が受けられます。日本では40代から50代の女性が多いとされていますが、年齢や性別による制限はありません。

臨床研究や実践報告では、以下のような症状に対して用いられています。

 慢性的な疲労感や倦怠感、うつや不安などの精神的な不調、慢性的な痛み(腰痛、頭痛など)、呼吸器系の問題、消化器系の不調、睡眠の問題、子どもの発達上の課題(集中力の欠如、落ち着きのなさなど)、がん治療に伴う疲労などです。

 急な発熱を伴う病気の場合は避けた方がいいとされています。また自宅での練習を続ける必要があるため、受け身の治療を求める人には向かないかもしれません。

日本でオイリュトミー療法を受けるには

 日本には日本オイリュトミー療法士協会があり、約70名のオイリュトミストが活動しています。東京、横浜、札幌などにクリニックや療法スペースがあり、シュタイナー学校や幼稚園では教育オイリュトミーとしても行われています。

 健康維持や予防のための「健康オイリュトミー」講座も各地で開催されていますので、まずは講座に参加して、オイリュトミーを体験してみるのもよいでしょう。

注意点と限界

オイリュトミー療法は補完療法であり、一般的な医療の代わりにはなりません。症状が重い場合は医師の診察を受けることが大切です。

 また、現時点での研究エビデンスには限界があります。肯定的な結果は多数報告されていますが厳密な比較試験は少なく、プラセボ効果や自然な回復との区別が難しい面もあります。過度に期待せず自己ケアの一つとして、または他の治療と組み合わせて取り入れるのが現実的な姿勢でしょう。

 シュタイナーの思想体系全体を受け入れる必要はありません。オイリュトミーの動きに関心があるなら思想的な背景とは切り離して実践することができます。興味がある方はぜひ基本エクササイズを試してみてください。

参考文献・情報源

  • Büssing A, et al. (2008) “Eurythmy Therapy in clinical studies: a systematic literature review.” BMC Complementary and Alternative Medicine.
  • Lötzke D, et al. (2015) “A systematic literature review on the effectiveness of eurythmy therapy.” Journal of Integrative Medicine.
  • Hamre HJ, et al. (2007) “Eurythmy therapy in chronic disease: a four-year prospective cohort study.” BMC Public Health.
  • Timm E, et al. (2024) “Online eurythmy therapy for cancer-related fatigue.” Frontiers in Integrative Neuroscience.
  • 日本オイリュトミー療法士協会 https://eu-therapy.jp/
  • Anthromedics https://www.anthromedics.org/

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