マアトとホルス

門の書と境界の魔術 変容を日常に定着させる

 5日間の旅はいかがでしょうか。今日までの4日間で古い自分から新しいあなたへと変容させた今、必要なのは変容の体験を定着させることです。

 古代エジプトの新王国時代に作られた冥界の書「死者の書(Book of the dead)」には、死者が冥界の12の門を通過する様子が書かれています。それぞれの門に守護者がいて、正しい知識と言葉を伝えなければ通過できません。中でも重要なのは最初の三つの門です。第一の門では過去を手放すことになります。第二の門で新しい自分を受け取り、第三の門で「定着させる」という門です。今日は5日間プログラムの最終日、第三の門を通過して変容を永続的な現実にしましょう。

門の書とは何か―変容のロードマップ

 「門の書(Book of Gates)」は研究者たちによる呼び名で、「死者の書」の中で通過する門について書かれた部分です。それによると冥界は12の時間または領域に分かれ、それぞれに門がありました。この門は太陽神ラーが冥界の旅をするときに通過する門で、死者もラーと同じ道を辿ります。エジプトの神官たちはこれを「意識の変容を描いたもの」だと認識していました。古い自己が死に、新しい自己となる―冥界の旅とは変容のプロセスそのものなのです。

 ここでそれぞれの門について見てみましょう。

第一の門:分離と浄化
古い自己からの分離
執着の解放
過去の浄化

第二の門:再生と受容
新しい光を受け取る
新しい自分の獲得
可能性の認識

第三の門:統合と顕現
新しい自己の定着
精神世界と物質世界の統合
日常に定着させる
第三の門の守護者・マアトの審判

 第三の門には特別な守護者、真実、正義、調和、秩序を司りる女神マアト(𓌳𓐙𓂝𓏏𓁦 / 𓆄など複数表記あり、Maat)がいます。この門では死者の心臓とマアトの羽根を天秤に乗せます。釣り合えば永遠の命を得られますが、心臓が羽根より重ければ罪や執着が多い証拠で、怪物アメミットに食べられてしまいます。

 これは道徳的な面を裁いているのではなく、「軽い」状態―執着がなく、真実を生き、調和しているかどうかの審判です。あなたの軽さが本物かどうか、マアトの前で測られるのです。

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