魔女が黒マントと黒フードで描かれる理由は?

 昔はそんなにたくさんの染料を使えるわけではありませんでした。そして数少ない染料の中で、黒はけっこう豪華なものだったらしく、そうした意味では「贅沢な格好をしているけしからん女たち」といった意味も込めて、魔女は黒を着る、ということが広まったとされています。

 そしてもう一点、黒い服というのは当時のお婆さんたちの伝統でした。昔、スカートの裾が長かったころは泥がついてしまうので、明るい色は、服をしょっちゅう新調できる人ではない限り、あまり着ませんでした。一般人も黒が多かったようです。魔女だけが黒というイメージがあるのは、そういう魔女の絵をたくさん見せられたからなのかもしれません。

 現代では、自分で黒マントや黒い尖り帽子をつくる人もいます。あんな帽子、現代だといつどこでかぶるんだと思いますが、ある種のカヴンではハロウィーンのときなどにかぶって街を歩くこともあるらしいです。黒マントと黒フードをつくることはそんなに難しくありませんし、今ではEtsyなんかへ行くと型紙も売っていますから、手っ取り早く「魔女気分」を味わうならば、服を手作りしてみるのも面白いかもしれません。あまり厳しい決まりはありませんが、コットンや麻などの自然繊維を使うことは忘れないでください。

 ハロウィンなどが近づくと、ネットでは薄っぺらいミニスカートの魔女服がたくさん売られるようになりますけれど、あんな服を着て魔女を気取っても「私はお馬鹿さんです」と宣伝して歩くようなものです。魔女にとって大切なのは「実用性」ですから、蝋燭の火がすぐに引火するような化繊のぴらぴらの服や、下着が見えるようなミニスカートなんて、まずあり得ないのです。自分で何が大切なのか、どんな服ならば縫いやすい・着やすい・実用的なのかを考えながら作ってみる方が、よほど魔女らしいでしょう。

(ヘイズ中村 魔女・魔術師&占い師・執筆家
中学生時代から研究と修行の道に入ったのに神秘性の欠片もない神秘家
HP https://www.fortunamoon.com)

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