1920年代の上海地図

《中国怪談地図》上海の都市伝説と怪談

 世界中の文化が交錯する大都市・上海。超高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並みの裏では、ひっそりと不思議な話が息づいています。かつては魔都と呼ばれ、多くの人々の血が流れた歴史を持つ上海の深層を覗いてみましょう。観光では見えない、けれどそこにあるかもしれない噂の世界へ―。

外国人街・古北は「金縛りエリア」

 駐在員が多く、比較的静かで治安のいい住宅街、古北新区。日系スーパーや日本・韓国・台湾料理などの店が並ぶ国際的なエリアですが、ネットではこんな話が投稿されています。

「引っ越してから毎晩のように金縛りに遭う」
「夢見が悪くなった」「夜になると部屋が重く感じる」

 このエリア、1920年代には永安公墓という墓地があったと言われています。再開発で今の街になったものの「土地の記憶がまだ残っている」と言う人も。磁場の歪みとも言われていますが、不思議なことに体験者の多くが「眠り」に異常を感じているようです。

 そこで調べてみたところ…なんと、永安公墓は古北新区とは重なっていませんでした!仙霞路と古北路の辺りにあった墓地で、古北新区とは中国サイズの二区画、歩いたら30分はかかる程度に離れていました。地元の人たちも「古北新区はお墓だった」っていう人が多いのはなぜなのか…。こっちの方がむしろミステリアス。

地下鉄で囁かれる「幽霊列車」

 いつのまにか上海の地下鉄は19路線にまで増え、深夜に無人車両が点検や回送で動いていることも。その中でよく噂になるのが…

「深夜の人民広場駅で、誰も乗っていない車両から声が聞こえた」
「終電後、乗務員が録画を確認すると“乗っているはずのない影”が映っていた」

 特に2号線・7号線・13号線あたりの噂が多く、録画映像のスクリーンショットが出回ったことも。もちろん信憑性は定かではありませんが、広くて暗いホームや長いトンネルは、自然と恐怖を呼び込むには十分な舞台なのです。

静安寺近くの「赤い部屋」

 高級住宅街と古刹が混在する静安寺周辺では、「赤い部屋」と呼ばれる怪談が。

「あるビルの3階に、壁一面が真っ赤な部屋がある」
「そこに入った人が、数日後に精神を病んだ」
「何もないのにずっと人の気配がする」

 実在するのかどうかは不明ですが、このエリアは古い建物が多く、内装に重厚な赤を使った家はわりとあります。中国で赤は祝いの色なので、昔はよく使われてたんですね。その一方「血」のイメージもあって、心理的に不安を感じやすい色でもあります。

上海交通大学で語られる「鏡の中の誰か」

 名門・上海交通大学の学生寮や研究棟では、鏡の中で異変が起きるという話があります。

「夜中、トイレの鏡に自分ではない誰かが映った」
「昼に写っていた影が、夜になるといなくなる」
「鏡を直視すると強烈な頭痛が起きる」

 中国で鏡は霊の出入口とも言われ、特に女性寮ではこの手の噂が絶えません。学内SNSでも「それを見たら3日以内に祈らなければならない」という話が出回ったそうです。

上海ネット民のささやき ウェブで広がる「微怪談」
小紅書(RED):「○○ビルで夜歩いていたら急に寒気が」「マンションの廊下に誰かいたような...」
Zhihu:「子どもの頃、○○団地で謎の部屋に閉じ込められた」
TikTok中国版:「撮った動画に、ないはずの顔があった」

 など、ちょっとした現代怪談も急増中。体験者は普通の人、でも投稿がすぐ削除される―そんな噂がさらに不安を煽ります。

上海の街に残る「もうひとつの風景

 高層ビルとネオンに囲まれた上海の街。キラキラというよりギラギラの街を歩いていても、ふと時空が歪んだように感じることがあります。もしかしたら、この街が積み重ねてきた歴史と記憶が、今もまだ揺らめいているのかもしれません。あなたが上海を訪れるとき、もし夜の通りが音をなくしたら―見えない何かがあなたを見ているのかもしれません。

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