ドロップベア警告看板

世界の都市伝説:ドロップベア

 世界の都市伝説を巡るお話、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。

 オーストラリアで広がっている「ドロップベア」と言うクリーチャーを知っていますか?モンスターなのかUMAなのか、解明されていない謎の生き物のお話です。明確な初出は不明ではあるものの、1970年代から存在が確認されているそうです。大分昔から広がっているんですね。

 オーストラリアに生息する有袋類の哺乳類で、ユーカリの葉を主食として、木の上で生活する動物と言えば…。そうコアラです。オーストラリアの固有種として有名ですね。絶滅危惧種に指定されていて、森林火災などによる生息地の減少などが脅威となっています。丸い耳と小さい目に大きな鼻、じっと動かない姿がかわいいですよね。

 ”ドロップベア”はそんなかわいいコアラに似ていて、コアラかと思って近づいた旅行者・観光者に容赦なく襲い掛かり大けがを負わせてくると言われています。近づいてみるとコアラよりは大分大きく、オレンジ色のまだら模様の毛皮をしていて鋭利な牙が生えている姿をしています。木の上に潜んでいて、獲物が真下に来た時に落ちてきて襲い掛かることから”落ちてくるクマのような生き物=ドロップベア”と呼ばれるようになりました。襲われるのは主に観光客やオーストラリア以外に住んでいる人間だそうです。

 目撃談を一つ。
「僕たちはブルーマウンテンズ国立公園のハイキングコースを歩いていた。突然、木の上から何かが“ドスン!”と落ちてきたんだ。友人のジェイソンが悲鳴を上げて倒れた。見上げたら、そこには灰色の毛皮に覆われた生き物がいて、目がギラギラしていた。ツアーガイドに言ったら、『ああ、ドロップベアだな。気をつけろよ』って軽く言われたよ。冗談かと思ったけど、ジェイソンは本当に肩にひっかき傷を負ってたんだ…」

 このドロップベアを回避する方法の一つにベジマイトを塗ると言うのがあります。ベジマイトと言うのはオーストラリアで普及しているジャムのようなもので、ビール酵母を主成分としたペーストでかなり塩辛いけど強いうまみがあり、トーストに塗って食べるのが一般的です。オーストラリアでは国民食と言える程人気な食べ物ではありますが、外国人観光客にはクセが強すぎるものとして有名です。ネガティブな意味で。日本で言うところの納豆みたいなものでしょうか。同じ発酵食品なので。世界一まずいジャムと言う不名誉な称号もお持ちの優秀な食品です。それを顔や耳の裏に塗ると良いそうですが…。なかなか勇気がいりますね。

 さて、この”ドロップベア”はオーストラリアではジョークとして語られることが多いです。観光客を怖がらせたり、食文化の違いやいじられたベジマイトでイタズラをしてやろうみたいな事から、ガイドさんが旅行客に向けて話したりすることで広まりました。だからと言ってこれが完全にいないとも言えないのが不思議なところ。話が先なのか存在が先なのか、どのようにしてドロップベアが生まれたのかは判明していません。

 オーストラリアには日本の旅行者も数多く訪れています。もしこの記事を読んだ方でオーストラリアに旅行する方は是非この”ドロップベア”の真偽を確かめてきてください。

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