世界の都市伝説:イヌルパマフイダ
世界の都市伝説を巡るお話、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。
南米のチリ中南部とアルゼンチン南部に暮らしている先住民族”マプチェ”。マプチェ語を話し「マプ=台地、チェ=人々」と大地に生きる人々を意味する名前を冠した民族です。インカ帝国やスペインの侵略にも長く抵抗を続けた民族として有名です。
そのマプチェ族に伝わる神話の中に、イヌルパマフイダ(Inulpamahuida)と呼ばれる未確認生物がいます。パタゴニアの暗く深い森の中で生息していて、”登山家”を意味する名前のように、巨大な樹木のような見た目をしていますが、枝から生えた爪によって急斜面でも楽々登っていくと言われています。
イヌルパマフイダの生息地である森林にはイヌルパマフイダを筆頭に邪悪な存在が生息していると原住民たちに信じられていました。イヌルパマフイダのいる領域に足を踏み入れる者たちに恐怖と不安を植え付け、森へ立ち入らせないようにする存在でもありました。
しかし、一部の伝承ではシャーマンに呼び出され、他の悪霊から身を守るための存在として扱われることもあると示唆されています。単なる怪物だけではなく、宗教的な儀式や霊的な対抗手段としての役割もあったのかも知れませんね。
現代のイヌルパマフイダは擬人化され、誇張した描写をされることもあります。また、人を木に変えてしまう、毒をまき散らすなどのホラー的な要素を盛り込んだ描かれ方をする事も増えました。 マプチェ族の信仰は祈禱師が執り行う儀式を中心とした自然崇拝でした。とりわけピランと言う男性の精霊の子供で罰としてヘビの姿に変えられたトレントレンヴィルーとカイカイヴィルーの二匹の蛇が重要な位置を占めています。
チリが現在の形になったとされるトレントレンとカイカイの戦いと言う興味深い神話があるんです。日本も山岳信仰の国だったので神聖な山に関する伝承もありますよね。八ヶ岳と富士山が背比べをして負けた富士山が負けて怒って八ヶ岳を殴ったから八つに割れたみたいな民話を思い出してしまいました。
マプチェ神話では精霊や怪物など不思議な生き物が沢山出てきたり、自然の猛威、特に火山や洪水などは精霊たちが起こしていたりなど、日本ではあまり知られていませんがなかなか面白い神話が沢山あるので、興味のある方は探してみても面白いと思います!