避難指示看板

大地震は「予告」されている ― 2026年、私たちはどこにいるのか

 1995年1月16日、3連休の最終日。ある女性が大阪のスーパーで奇妙な光景を目撃した。子供が小さな埃の塊のようなもので遊んでいたので近づいてみると、小さなネズミがいた。「衣料品売り場にネズミ?」 彼女はそう思いながら弱ったネズミを箱に入れ、帰り道の駅のホームで逃がしてやった。

 翌朝5時46分、阪神・淡路大震災。死者6,434人。あのネズミは何かを「知っていた」のだろうか?

1519通の不思議な体験

 阪神・淡路大震災の後、大阪市立大学の弘原海教授はある調査を行った。地震の前に変なことを見た・聞いた・感じた人はいないかという質問に、1519通もの証言が集まった。普段吠えない犬が一晩中遠吠えしていた。飼い主を突然噛んだ。数日前からいなくなっていた猫が地震後に帰ってきた。鳥が一晩中鳴いていた。うず巻き状の白い雲。季節外れのヘビ。

 研究によると、約20%の犬と約30%の猫が地震前に異常行動を示していた。行動のピークは2回、地震の1ヶ月〜4、5日前と前日~2、3時間前。まるで「2段階の警告」のようだ。

クジラは知っていた

 2011年3月4日、茨城県鹿嶋市の下津海岸にはカズハゴンドウ52頭が打ち上げられた。地元の人たちは海に帰そうとしたが、半数以上が息絶えていた。そして7日後、東日本大震災が発生。偶然かもしれないが、似たパターンは繰り返されている。

座礁日場所頭数その後の地震
2011年2月20日NZスチュワート島107頭2日後 カンタベリー地震 M6.1
2011年3月4日茨城県52頭7日後 東日本大震災 M9.0
2016年4月8日長崎県1頭8日後 熊本地震 M7.3

 東海大学の研究チームは「クジラの座礁と地震に因果関係はない」と結論づけた。座礁から30日以内にM6.0以上の地震が発生したのは429回中わずか2回だったという。大地震の直前に関しては表の通りだ。

江戸の民衆の「鯰絵」

 安政の大地震が江戸を襲ったのは、1855年10月2日の夜だった。死者1万人以上、倒壊家屋1万4千戸。そして江戸の町では「鯰絵(なまずえ)」と呼ばれる錦絵が爆発的に売れ始める。「地下に棲む大鯰が暴れると地震が起きる」と信じられていたからだ。地震から2ヶ月で400種類以上もの鯰絵が発売されたという。

 「安政の大地震の日、夜行性のナマズが大量に昼から騒いでいた」という証言もあった。上高田(現在の中野区)では地震の前日、「裏といい前といい、あらゆる蛇が出てきた」という。犬は遠吠えをし、鶏は落ち着かずにコッコッコッと鳴き続けた。「昔の人はね、やっぱりその理由はわかんなくても、その前の日に不思議だっていうことを感じていたわけですよね」。中野区の聞き取り調査に残された言葉だ。

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