ジェームス・ディーンとポルシェ

リトル・バスタード ─ ジェームズ・ディーンの呪われたポルシェ

呪いの連鎖

ジョージ・バリスとポルシェの残骸

 大破したポルシェは、カスタムカー界の帝王ジョージ・バリスが2500ドルで購入した。バリスはハリウッドセレブたちの車をカスタマイズしていて、後にテレビドラマ『バットマン』のバットモービルを製作した人物だ。

 スパイダーの残骸はガレージに届けられてすぐにトレーラーから滑り落ち、整備士が足を折った。

エンジンとトランスミッションの呪い
ウィリアム・エシュリッヒ博士 ポルシェのエンジンを購入、ロータスIXレーシングカーに搭載。
トロイ・マクヘンリー トランスミッションとサスペンションを購入、ポルシェに組み込む。

 1956年10月のポモナ・ロードレースで2人は同じレースに出場。エシュリッヒはクラッシュして大怪我を負い、マクヘンリーはコース上にあった唯一の木に激突して即死した。ディーンの死からわずか11ヶ月、リトル・バスタードは2人目の命を奪ったのだ。

タイヤの爆発

 バリスが保管していたポルシェの2本のタイヤは、ある男に売却された。2本のタイヤは路上を走っているとき同時にパンク、車はコントロールを失って事故を起こした。

残骸の展示と事故

 バリスは残骸の修復を諦め、全米安全委員会に貸し出した。ジェームス・ディーンのポルシェは「危険運転の結果」を伝える展示品となり、自動車ショーや学校、ボウリング場などを巡回することになった。だが、展示中にも事故が続く。

  • カリフォルニアの高校 台座から落下した残骸によって高校生が腰骨を骨折
  • サクラメントでの展示 残骸がディスプレイから落下、通りがかった人が腰を折る
  • フレズノでの保管中 ガレージが火災を起こしたが、車体はほぼ損傷なし
  • 輸送中の事故 車外に投げ出された運転手が荷台から落ちた残骸の下敷きになり死亡

残骸の消失

 1960年、ポルシェの残骸はマイアミからロサンゼルスへ鉄道で輸送されることになった。密閉された貨車に積み込まれ、出発したポルシェは―ロサンゼルスに到着した時、忽然と消えていた。貨車の封印は無傷のまま、消えた残骸は今日に至るまで発見されていない。ディーンの死から50周年となる2005年には100万ドルの懸賞金がかけられたが、誰も名乗り出なかった。

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