ジャックオーランタン

世界の都市伝説:ランタン男

left: 663highland, right: Rannpháirtí anaithnid, CC BY-SA 3.0 http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/, via Wikimedia Commons

 世界の都市伝説を巡るお話、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。

 イギリスの伝承に”ランタン男”と言うものがあります。ランタン男ではイマイチピンと来なくても”ジャックオーランタン”ならなじみがあるのではないでしょうか。ハロウィンの時期になると目にするカボチャで作られた提灯がジャックオーランタンで、それを持っているのがランタン男なので同一と言えば同一ですね。

 ランタン男は夜の湿地帯や森に現れて、旅人を惑わしたり怖がらせたりすると言われています。「ランタン男を見ても決して追ってはならない。ついていけば二度と戻れなくなる」と語り継がれています。日本で言うと人魂や鬼火と同じような感じですね。

 ジャックオーランタンとランタン男には元ネタがあります。ハロウィン自体がアイルランドの伝統的なお祭りが広まったものですが、そのアイルランドの民間伝承に登場するとても狡猾な男の話が元になり、ジャックオーランタンが生まれました。

昔、アイルランドに「スティンジー(ケチな)ジャック」と呼ばれる男がいました。彼は狡猾でずる賢く、酒と悪だくみが大好きな男でした。

ある日ジャックがいつものようにお酒を飲み酔っぱらっていたところ悪魔が現れました。悪魔が言うには、いつも酒を飲んで悪いことばかりするジャックの魂が悪魔にとって極上の魂だと。地獄でも話題になるほどで誰がこの魂を奪えるか競争が始まったと言われます。

はいそうですかと大人しくしているジャックではありません。悪魔をだまして今日の酒代にしてやろうと思いつきます。

「魂をとられるのはかまわないが人生最後のお酒を飲ませてくれ。でもお金がないからお前が銀貨になって今までの酒代の分も支払わせてくれないか」

悪魔も最後の頼みとあって無下にはしませんでした。そんなことで極上の魂をいただけるなら安いもんだと銀貨に変身したところ、ジャックは素早く持っていた十字架と銀貨を縛り付け、財布に入れて封印してしまいます。

「ばかなやつめ。今更酒代なんて払うわけがないだろう。悪魔のくせに生ぬるい」

ジャックの方が一枚上手でした。悪魔は財布から出れなくなりジャックに許しを請いました。

「許してくれジャック。何でも言うことを聞くからこのままにしないでくれ」
「出してほしかったら今後10年俺の魂を奪いに来ないと約束しろ」

悪魔は言われるがままジャックと約束してしまいます。そして10年後、約束をきっちりと守った悪魔が再び魂を奪いに来ました。

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