魔女がよく黒猫と一緒に描かれる理由は?
中世から近世にかけては、収穫した穀物を普通に自宅に蓄えていました。そうなると、どうしても穀物を狙ってネズミがやってきます。そこへ来るネズミを狩るために、猫や犬を身近に置いている人が多かったんです。それが使い魔としてのイメージの始まりだとされています。
ここからが残酷な話ですが、現代人のようにキャットフードやドッグフードを与えるという余裕はありませんでした。自分たちが食べていくのに精一杯でしたから、犬や猫はそのへんにウロチョロしてネズミとかを獲ってくれて、それがいなくなればサヨウナラ……というのが普通でした。でも、年を取って村から外れて暮らしているお婆さまだと寂しいですよね。だからどうしても自分のご飯とかを分けて猫を飼ったりしはじめる。すると、村全体が食うや食わずのときにあそこは猫を飼ってるなんてことになると、変人ということになるし、そういうことをする人はたいてい、寂しくて、自分のご飯をあげて猫を飼ってしまうくらいだから孤独な人。そうなると、村全体で「あいつは変だ」ということになり、魔女狩りのターゲットにもなってきたのです。猫は使い魔だといわれたり、使い魔を殺すと魔女も死ぬなどといわれてきました。そりゃそうです、寂しくて猫を飼っていたのに目の前でなぶり殺しにされたら生きる気力もなくなるでしょう。
それとは別に、使い魔が黒猫だったというのは、それを象徴的に描いた画像がけっこうあったから、という単純な理由でした。15世紀のウェールズの魔女という有名な挿絵があるんですが、そこでは例のとんがり帽子に黒い服、そこに黒猫が描かれていて、それが広まったようです。拍子抜けしてしまいますが、実際には、とんがり帽子に黒い服というのは、その当時のウェールズの流行の最先端だったとか!今でも、流行の最先端の格好をしている女性をどう叩くか、ということは多いです。当時の魔女たちも、そんなマスコミの餌食になっただけかもしれません。
(ヘイズ中村 魔女・魔術師&占い師・執筆家
中学生時代から研究と修行の道に入ったのに神秘性の欠片もない神秘家
HP https://www.fortunamoon.com)