バネ足ジャック

世界の都市伝説:バネ足ジャック

 世界の都市伝説を巡るお話、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。

 19世紀のイギリス・ロンドンに現れたと言う「バネ足ジャック」を知っていますか?「バネ足ジャック」はヴィクトリア朝時代、19世紀の初頭イギリスのロンドンで広まった怪人です。最初の目撃談は1837年、ロンドンのクラパム・コモンで少女メアリー・スティーブンスが謎の男に襲われました。犯人は暗がりから飛び出して彼女の腕を掴み、服を引き裂き、冷たく粘ついた爪で身体に触れたと言います。

 彼女の悲鳴で逃走したが、翌日には近くで馬車の前に飛び出して事故を起こさせようとして、目撃者の前で2.7メートルの壁を飛び越えて逃げた。この怪事件でロンドンには恐怖が広がり、犯人を「バネ足ジャック」と名づけて語り継がれました。これは噂話だけでは無く、新聞やゴシップ誌に掲載された事で信憑性を得ました。

 この目撃談から数か月が経ち、ロンドン市長が公開会議にてある苦情を元に情報を集めました。その苦情とは”ある上流階級の人物がギャンブルで負けた罰として幽霊やクマ、悪魔などに扮装をして他人の敷地に無断侵入をしたり、女性を驚かせて気絶させたりしている”と言うものでした。

 市長自身は懐疑的ではあったものの、ロンドン各地から同様のイタズラや目撃情報が押し寄せました。少女が金属質な爪で襲われた事件、少女が大きな青い炎で襲われた事件、自分がバネ足ジャックだと自慢していた男が逮捕されたが無罪になった件など、イギリス各地で多数の事件と模倣犯が発生していました。

 しかしバネ足ジャックが有名になるにつれて、出現情報は減っていきました。それまでの目撃情報をもとに捜査も行われましたがバネ足ジャックが捕まることも特定されたこともありません。バネ足ジャックを疑う人たちは、最初の事件と市長が広めたことによる模倣犯たちの仕業だと推測しています。また、市長が受けた苦情はある貴族が犯人なのではないかとも言われています。この貴族はギャンブルが好きでギャンブルのためなら何でもすると言われていました。実際に器物破損などでも度々ニュースになり、最初のバネ足ジャックの事件の時期にロンドン郊外にいたそうです。

 しかし、彼がバネ足ジャックとして逮捕されたことはありませんし、彼が事故で亡くなった後もバネ足ジャックの目撃情報は続いていました。もしかすると彼が実在するバネ足ジャックのマネをしていた可能性も捨てきれないですね。

 この都市伝説は当時のヴィクトリア朝の生活や大衆文化に大きな影響を与えました。”いい子にしてないとバネ足ジャックが来るよ!”など子供の躾の常套句に使われていたと言われています。日本で言うと鬼とかお化けとか、そういうイメージで使われていたのかも知れませんね。

 残念ながら回避方法などは伝えられていませんが、襲われるのは大体女性であること、大きな叫び声を出すと逃げていくとされているので、もし襲われてしまったら遠慮なく大きな声で助けを呼びましょう!

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