レモハダスの犬

オーパーツ大好き!メソアメリカの犬車

Madman, CC BY-SA 3.0 http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/, ウィキメディア・コモンズ経由で

 今回は「メソアメリカの犬車」をご紹介いたします。メソアメリカと言うのは、メキシコや中央アメリカ北西部の地域において発展していた文明を指します。有名なものは、月のピラミッドで有名なテオティワカン文明やククルカンの神殿で有名なマヤ文明。紀元前2000年辺りから始まり、15世紀のアステカ文明まで3500年以上も文明が続いてきた地域です。

 これらの文化は、アジア・ヨーロッパ・アフリカの三大陸の文明と交流がなく、地理的にも孤立した環境で発展しました。南米のインカ帝国に代表されるアンデス文明とも交流がなかったとされています。

そんな独自の発展をしていたメソアメリカの遺跡から「車輪付きの犬の形をした土器」が発見されました。素焼きの陶器で犬の形をした本体の足元に4つの車輪がついた構造をしています。これのどこが謎なのかイマイチぴんと来ないかも知れません。それを知るにはまず車輪の成り立ちを紐解いていきましょう。

 車輪は、現代にも引き継がれるほどの”人類の偉大すぎる発明”と言っても過言ではないほど画期的な物です。重いものを運ぶ時に丸太を敷いて、その上に荷物を置いて転がしていく。丸太を進む先に置いていけば持ち上げて運ぶよりも小さな力で運ぶことが出来ます。これはピラミッドを作るときの図解でも良く使われているのでイメージが出来るのではないでしょうか。

 この下に置く丸太から発想を得て、ソリなどのカゴに直接回るものを付けたものに発展していったと考えられています。その後、ソリ、シャーシ、車輪と分離したものへと進化していきました。車輪と一言で言ってしまうと車のタイヤなどしかイメージしにくくなってしまいますが、あの円形のものを使っている構造体の多くは車輪の発展形なんです。例えば、水車や歯車、現代ではプロペラやタービンなどが車輪を基に進化していったものです。

 車輪を発明したのは古代メソポタミアのシュメール人で、紀元前3100~3500年頃とされています。これは車輪がついている遺物が出土した遺跡から推測された時代です。その後、ヨーロッパや中国へ伝播していったと考えられていますが、メソアメリカやインカ文明には車輪がなかったとされていました。

 しかし、この犬車が発見されたことで議論が巻き起こりました。メソアメリカ文明は独自の文明だったのではないか、車輪がどこかから伝わったものなのか、メソアメリカ文明でも車輪状のものを発明していたのではないかと様々な説が飛び交いましたが、メソアメリカ文明で車輪が実用化される事はなかったようです。それにはいくつかの説がありますが、馬や牛、ラクダなど車を引く事が出来る動物がいなかったことや山が多く密林が多かったことも関係していると言われています。

 じゃあ何のために作られたのか…。それはまだ判明していません!儀式的なものに使われたのかも知れないし、子供が遊ぶためのオモチャだったのかも知れないし。どちらにしろ、この時代にこの地域で車輪のあるものがある事自体がオーパーツと言っても良いのではないでしょうか。

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