貴船神社 奥宮

その神社、本当にあなたにご利益をくれる神社ですか?

Hyppolyte de Saint-Rambert, CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

 あとはもう神頼み…!というと、多くの人が頭に浮かぶのが神社ではないでしょうか。「正しい参拝の仕方」なんて情報も人気だったりしますが、それぞれの神社が推奨している参拝方法はいわば「ずっと長い間、そこの神を祀ってきた人々の形」。私たちがいきなり生活習慣を変えられないのと同じで、そこの神さまも突然違う形で何かを言われても戸惑っちゃうよね、と思っています。

 神社で祀られている神は、同じ名前であってもエネルギーが少しずつ異なります。みなさんも例えば伊勢神宮と東京大神宮の空気感は違うと感じると思いますが、その違いは場所や作りだけでなく、その社で祀られている天照大御神の違いにも影響されています。そして、忘れがちですが神々にはキャラクターがある… ということはエゴがあるのです。ということは、人間同士と同じように相性の良し悪しが存在することになります。

 昔初めて京都の貴船神社に行ったとき、明らかに歓迎されていない空気を感じて連れと二人で「奥に行くのはやめよう…」と言って挨拶だけして帰ったことがあります。貴船は怖いと話していたのですが、何度か貴船に行っている人間と一緒に行ったらまったく雰囲気が違いました。奥宮までサクサク歩いて参拝した後、「貴船は一見さんには厳しいのか… さすが京都…?」と納得してしまいました。

 また現代において普段の生活ではそれほど意識することはないのですが、源氏系統の家系のためか、地方に行ったときに平家の系統の神社に参拝しようとして違和感を感じることもあります。こういった場合も何度か通って心の中で今はこういう時代になったので…なんて言い訳?をしているうちになんとなく受け入れてもらえた感が出てきたりします。

 願いを叶えるためにあと一歩後押ししてほしいなら、自分を好いてくれそうな神社に行けば話は早いはずです。生まれた土地の神社で祀られていた産土神は誰だったでしょうか。すでに縁が繋がっているので、多少エネルギーは違ってもその神さまが祀られている神社とは相性がいいでしょう。また、子供の頃家族旅行などでよく行っていた場所に神社はなかったでしょうか。そこで祀られている神さまも、あなたをずっと見守ってくれていたかもしれません。無邪気だった子供の頃、よく遊んでいた神社とも縁が繋がっているはずです。

 現在の神社だけでなく磐座や神籬、神奈備などは、一度訪れてお願いしたからどうだというものではありません。何度も通って仲良くなって… という、人間関係を作るのと似たプロセスが必要な場所はたくさんあります。お礼参りをしないまま次のお願いをしに行くのは、以前もらったお土産のお返しもせずに次のお土産をねだるのと同じです。そこに長い間存在してきたエネルギーを感じるのであれば、目に見えなくても「存在している」ものとして扱えばコミュニケーションが取れるようになるでしょう。

 大切なのは参拝方法などの形ではなく「気持ち」です。心の中で話しかけているうちに、どんどん神さまからの返事はわかりやすくなっていきます。すべての人間に好かれるのは無理なように、すべての神さまに贔屓してもらえる人もいません。私たちが神社で祀ってきた神々の大部分は、それぞれ性格が異なる「人の神」だからです。不倫が嫌いな神さまもいれば、どんな恋愛でも応援している神さまもいて、仕事が得意な神、疲れを癒してくれる神などそれぞれ得意分野も異なります。

 ご利益をいただきたいなら、自分と合う神さま、縁のある神さまを見つけて何度か通い、心の中でたくさん話しかけることが大切です。参拝するときに後ろに並んでいる人がいたら、さい銭箱の前ではなく迷惑にならない場所で大丈夫です。神社や神域に入るのはその神さまの家にお邪魔するのと同じだと思えば、どう振る舞えばいいかわかりやすいと思います。

 神社への参拝は、単なる願掛けというより神さまとの交流を深める行為です。関係性は一方通行ではなく、感謝や敬意を持って接することで強くなっていくでしょう。自分にとって心地よい神社を見つけ、足を運んでみてくださいね。

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