テオティワカン・太陽と月のピラミッド

『メキシコの神々』第二章・2-4 太陽と月の創造神話

Éclusette, CC BY 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by/3.0, via Wikimedia Commons
※『The gods of Mexico』Lewis Spence 翻訳した文章©StellaCircus

太陽創造をめぐる評議

 これはまだ太陽が昇っていなかった闇の世界での話だ。神々は聖なる地テオティワカンに集まって評議の火を囲み、どうやって天体を創造するべきかを話し合った。「最初に火の中へ身を投じた者が太陽になる」と決定し、これを受け入れたのがナナワツィンだった。彼は重い病を患っていて生きるのが耐えがたかったため、恐れるものがなかったのだ。

 だが彼が自己犠牲を遂げてからもしばらくは何も起こらず、待ちくたびれた神々は太陽がどの方角から現れるかについて賭けを始めた。誰もその方向だと考えていなかった東から太陽は姿を現した-動かないまま、激しい灼熱の光を放つ存在として。神々は使者として鷹を送り、そこを離れるように頼んだ。

太陽神の怒りと神々の死

 しかし太陽神となったナナワツィンは、兄弟たちを滅ぼすつもりだと答えた。ある者は恐怖に囚われ、またある者は怒った。その中の一柱だったシトリは弓を取り、太陽になったナナワツィンに向けて矢を放った。太陽神はその矢をかわしたが、続いて放たれた矢のすべてを避けきることはできず、そのうちの一本を掴んで投げ返し、シトリを貫いて殺した。

 熱はますます激しさを増す。窒息という屈辱的な死を迎えるより、互いの手によって死ぬ方がましだと神々は悟った。彼らはショロトルに一柱ずつ胸を切り裂くよう命じる。ショロトルはこの犠牲的な役割を遂げ、最後に自らも命を絶った。

死後に残されたもの

 死にゆく神々はそれぞれ自分の衣を従者たちに残していた。従者たちは主人の衣を棒に巻きつけた中に小さな緑色の石を「心臓」として納め、かつて仕えていた神の名を与えた。オルモスはこのような遺物を実際に見たと述べ、それは非常に古い時代のものだと思われたと記している。

 神々が死んでから、太陽はやっと天を巡って動き始めた。そのとき、テクシステカトルが現れて月の姿を取った。彼はナナワツィンが火に身を投げたとき、洞窟に隠れていたのだ。

太陽の館と歌の起源

 その後、従者たちは神々の包みを持って各地を巡った。やがてテスカトリポカの従者の一人が海辺で亡き主人の幻を見た。主人は太陽の館で祭を行うための歌い手や楽器の演奏者を連れて行くよう命じた。

 使者が太陽の館へ渡れるよう鯨とセイレーンと亀が呼ばれ、その身を連ねて橋を作った。従者はその上を渡りながら美しい歌を歌い、その歌声は太陽にも届いた。太陽は従者たちに「歌い手が近づいても決して応えてはならぬ」と厳命していたが、命令に背いた者たちがいる。彼らはテスカトリポカの祭のための楽器を携え、使者と一緒に戻ってきた。

『メキシコの神々』ルイス・スペンス 序章
『メキシコの神々』第一章・序論 1-1
『メキシコの神々』第一章・序論 1-2 メキシコ宗教の古代性
『メキシコの神々』第一章・序論 1-3 メキシコ宗教の起源 ― 異文化融合と信仰体系の形成
『メキシコの神々』第一章・序論 1-4 メキシコにおける初期宗教の痕跡
『メキシコの神々』第一章・序論 1-5 成長の要素の神格化
『メキシコの神々』第一章・序論 1-6 原始的影響の証拠
『メキシコの神々』第一章・序論 1-7 アニマル・ゴッド
『メキシコの神々』第一章・序論 1-8 雨の神格化、生贄
『メキシコの神々』第一章・序論 1-9 メキシコ後期における信仰の要素
『メキシコの神々』第一章・序論 1-10 メキシコ宗教に見られる文化的要素
『メキシコの神々』第一章・序論 1-11 ケツァルコアトル信仰の広まり
『メキシコの神々』第一章・序論 1-12 黒曜石への信仰
『メキシコの神々』第一章・序論 1-13 メキシコにおける信仰の統一

『メキシコの神々』第二章・2-1 メキシコ神話における世界創造
『メキシコの神々』第二章・2-1 メキシコ宇宙創造論における「時代」
『メキシコの神々』第二章・2-3 メキシコでの「地球の形成」

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