
悪魔図鑑 ベルゼブブ

ベルゼブブ 【Beelzebub】
分類:悪魔、堕天使
起源:古代カナン(フェニキア)の神、ユダヤ・キリスト教において悪魔化された
形態:巨大な蝿の姿、または人間と蝿両方の特徴を持つ
ベルゼブブとは
ベルゼブブは「蝿の王」として知られる高位の悪魔で、悪魔の君主・地獄の宰相とされる。七つの大罪の一つ「暴食」の悪魔に当たる。中世の悪魔学では地獄の階級における最高位の悪魔の一人とされ、サタンやルシファーと同一視されることも。『失楽園』では堕天使たちの中でサタンに次ぐ地位を持つ存在として描かれた。
元々はカナンの都市エクロンで崇拝されていた神バアル・ゼブブ(Baal Zebub)に由来する。「バアル」は「主」、「ゼブブ」は「蝿」なので「蝿の主」という名前だったことになる。この神は病気や疫病を司るとされていた。
旧約聖書の時代、ユダヤ教徒は異教の神々を悪魔として再解釈した。バアル・ゼブブもベルゼブブとして悪魔化され、新約聖書では「悪霊のかしら」と呼ばれた。イエスが悪霊を追い出したとき、パリサイ人たちが「ベルゼブブの力で悪霊を追い祓っている」と非難したという記述がある。
ベルゼブブの特徴
- 蝿の姿:巨大な蝿、または無数の蝿の群れとして現れる。腐敗と疫病の象徴。
- 人間形態:王冠を被った威厳ある姿で現れることもあるが、蝿の羽や複眼などの特徴を持つ。
- 腐敗の臭い:周囲には悪臭が漂う。
- 病気と疫病:蝿が媒介する病や腐敗を司る。
- 高位の悪魔:地獄の階級制度において極めて高い地位。
ベルゼブブの象徴・意味
- 堕落と腐敗:精神的・肉体的な堕落、道徳の腐敗
- 疫病と死:病気や死をもたらす恐るべき力
- 暴食:七つの大罪における食欲の過剰、節制の欠如
- 偽りの崇拝:真の神を離れた偶像崇拝
- 高慢と反逆:天に対する反逆の象徴
現代におけるベルゼブブ
強力な悪魔として現代の文学、映画、ゲームなどによく登場する。「蝿の王」というタイトルが作品名として使われることもある(ウィリアム・ゴールディングの小説『蝿の王』など)。オカルト研究や悪魔学では悪魔の階級制度における重要な存在であり続けている。人間社会の腐敗や堕落、集団心理の暗黒面を表現する象徴や比喩として使われることも多い。

