チャカナ

アンデスの宇宙観 ~チャカナと三つの次元~

 チャカナの上下の三段は三つの次元、世界を象徴する。真ん中の段は今私たちが生きている世界、ケイパチャ(Kay Pacha)、ミドル・ワールドと言われることが多い。私たちはこの世界でタイタインティ(Tayta Inti、太陽)とパチャママ(Pacha Mama、大地、地球)の無償の愛(ムナイ、Munay)に養われている。下の段が表すのはウクパチャ(Ukhu Pacha)、アンダーワールドで、ここではママシレーナ(Mama Sirena、母なるマーメイド)とママコチャ(Mama Qocha、水に住むサーペント)が私たちに水を与えてくれるほか、人間だけが生むネガティブな重いエネルギー(フチャ、huchaと呼ばれる)をケアしてくれる。チャカナ上段のハナパチャ(Hanaq Pacha)、アッパーワールドは太陽や月、星、稲妻などのエネルギーであり、軽いエネルギー(サミ)しか存在しない。ちなみに軽いエネルギーを表すサミ(sami)という言葉は、直訳では「幸運」だ。

 アルトメサヨックと呼ばれる高位のシャーマンになるには「多くのサミが必要」だと言い、雷に打たれても生存している人がなれるのだそうだ(おそらくそれ以外のケースもあるが)。西洋のシャーマンスクールではパンパメサヨック(3つの世界のイニシエーションを受けたシャーマン)だけでなく、アルトメサヨックのイニシエーションを行っているのを見かけるが、この辺りはどうなっているのか非常に興味深く思っている。私の師匠はアルトメサヨックのことを「神のような人」だと言い、神聖な山のスピリット(Apu、アプと呼ばれる)に選ばれた、太陽や星など宇宙そのものとダイレクトに話す人だと言っていた。師匠のAyllu(アイリュ・アイユと呼ばれる互恵性を持ったコミュニティ)では、希望者はいても雷や雨を呼べないためになれない人も多く、高齢の女性アルトメサヨックがとても尊敬されている。

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